なべざらし

突然だが、招き猫に対してライバル心を抱いている。

さぼすけ

本当に突然だな。

なべざらし

外出すると、どのお店に行っても大抵招き猫がいる。もはや日本は半ば招き猫に支配されていると言っても過言ではない。

さぼすけ

どう考えても過言だろ…。

なべざらし

こうまで国中に招き猫が広まっているとなると、日本の国民的アイドル動物の地位を虎視眈々と狙っている俺としては看過出来ない問題なわけよ。ということで、今回はそんな招き猫に打ち勝つためにも、招き猫の起源とか由来とかその他諸々のデータを調べ上げ、あわよくばご利益にあやかりたいと思います。

さぼすけ

地位向上のために手段を選ばなさすぎだろ…。

 

 

招き猫の由来や起源は何?

では、早速招き猫について調べて行きましょう。

 

まずは何故招き猫は幸運のシンボルとなったのか?
その由来についてご紹介していきます。

 

昔から日本で親しまれていた招き猫ですが、
実はその発祥や由来に関しては様々な説があるんだそうです。

 

ではどんな説があるのか?一つ一つ見ていきましょう。

 

招き猫元々は今戸焼だった説:

 

この説は嘉永5年の頃、
浅草の花川戸という所に住んでいたお婆さんが
猫の形をした今戸焼を浅草神社で販売したことが
招き猫の由来だ!…という説です。

 

当時お婆さんは貧乏で困っており、
そのせいもあって飼っていた猫を手放すことにしたそうです。

 

すると、その日の夜にその猫が夢に現れ
「俺をモデルにした人形作ると運が舞い込むぞ」
とアドバイスを残していったんだとか。

 

なべざらし

随分ビッグマウスな猫だな。

 

お婆さんはその助言に従って、
飼っていた猫をモデルにした今戸焼を作り、
浅草神社の鳥居の横で販売してみました。

 

すると、これが売れに売れて評判を呼び、
たちまち広まっていった…というのがこの説です。

 

さぼすけ

本当にお婆さんに幸運が訪れたわけだな。

なべざらし

猫の恩返し的な感じだったのかもね。

 

 

招き猫の発祥は豪徳寺説:

 

この説は東京都世田谷区にある豪徳寺に伝わる逸話が
招き猫の由来だとする説です。

 

江戸時代の時の事、彦根藩の二代目藩主である井伊直孝さんは、
鷹狩りを終えた帰りにこの豪徳寺の前を通りかかったそうです。

 

すると、お寺の和尚さんが飼っていた猫が
豪徳寺の門の前で井伊直孝さんを手招きするような仕草をしていました。

 

これを見た井伊直孝さんは
「猫も招いてくれてるし豪徳寺で休憩していこう」
と考えて豪徳寺に立ち寄ります。

 

なべざらし

けっこうピュアな心の持ち主だったのかもしれませんな。

 

すると、豪徳寺に入るや否や激しい雷雨が降りはじめ、
雨に降られずにすんだことを喜んだ直孝は、
「猫のお陰で濡れずに済んだ!」と喜んだそうです。

 

その後、井伊直孝さんは荒れていた豪徳寺を建て直すために
多額の寄付金を贈り、豪徳寺は盛り返したんだとか。

 

さぼすけ

井伊直孝さんにとっても豪徳寺にとっても、両方に幸運を呼ぶ招き猫だったわけだな。

 

その後、この猫が死んでしまってから、
和尚さんはこの猫の墓を建てて弔い、
後世には境内に招猫堂も建てられたそうです。

 

井伊直孝落雷危機一髪説:

 

また、豪徳寺が招き猫の発祥という説には別のパターンもあります。

 

それは、井伊直孝さんが豪徳寺に生えている木の下で雨宿りをしていたところ、
一匹の三毛猫が手招きをしていて、その猫の元に近づこうとした瞬間
元々雨宿りしていた木に雷が落ちた…と言う説です。

 

なべざらし

猫が招いてくれなかったらヤバかったな…。

 

そして、それに感謝した井伊直孝さんは
豪徳寺に多額の寄進をしたんだとか。

 

さぼすけ

多額の寄付をするところは変わらないんだな。

 

余談ではありますが、上記の二つの説から
豪徳寺にとって招き猫は縁の深いものとなり、
現在でも招き猫が販売されています。

 

しかし、豪徳寺の招き猫は他の招き猫と違って

・右手を上げていること(一般的には左)
・小判を持っていないこと

という特徴があるようです。

 

豪徳寺は前述の井伊家とも縁が深く、
井伊家の菩提寺になっているのですが、
武士にとって左手は不浄の手らしく、
右手を上げているのはそのためなんだとか。

 

また、小判を持っていない理由は
招き猫はチャンスを与えてくれるが、
結果(小判)を得ることが出来るかは本人次第だ…
という考え方があるからなんだとか。

 

さぼすけ

確かに、結果が出るのも運頼みってのはちょっと虫の良すぎる話かもしれないしな。

なべざらし

チャンスが来るってだけでも儲けものってことだよね。

 

招き猫の由来は自性院説:

 

この説は、東京都新宿区にある自性院が
招き猫の発祥の地ではないか?という説です。

 

このお話に出てくるのは太田道灌さんという方です。

 

この太田道灌さんは、江古田・沼袋原の戦いが起こった際に
劣勢に立たされ道に迷ってしまったんだとか。

 

しかしそんな時、太田道灌さんの前に
1匹の猫が姿を現し、手招きをしました。

 

その手招きのままに足を進めると太田道灌さんは自性院に到着し、
これをきっかけに体勢を立て直すことができ、
戦局を盛り返すことに成功したんだとか。

 

その後太田道灌さんはこの猫の地蔵尊を奉納したことから、
猫地蔵を経由して招き猫が誕生したと言われています。

 

さぼすけ

1匹の猫が戦況を変えたというのはドラマがあっていいな。

なべざらし

1匹のアザラシが戦況を変えるにはどうすればいいですか?有名になりたい。

さぼすけ

こう、お前を大砲に詰めて敵の大将に向けてだな…。

なべざらし

名誉の戦死待ったなし!?

 

この他にも、招き猫の由来には諸説あるようで、
決定的にこれ!というものはまだ決まっていません。

 

招き猫についての雑学

招き猫の元々の意味は金運上昇ではない?

 

招き猫と言うと、商売繁盛や金運の上昇などの効果が期待されている縁起物ですが、
実は元々の意味はそうではなかったんだそうです。

 

昔の建物と言うのは現在の建物ほど作りがしっかりしていたわけではなく、
ネズミなどの害獣のの被害がよくあったんだそうです。

 

そして、猫と言うのはそんな害獣を駆除してくれる動物で、
猫が住み着く建物は害獣による被害も少なく、
繁栄しやすいと言われていました。

 

招き猫は、そんな猫達を招く効果があるとされており、
猫が集まることによって害獣被害が減る=繁栄するというのが転じて
現在の金運上昇などの意味につながっていったと言われています。

 

なべざらし

招き猫は仲間を呼ぶタイプのモンスターということか。

 

 

招き猫の右手と左手で招く者が違う!?

 

招き猫はよく見ると、右手を上げている猫と左手を上げている猫がいます。

 

これらの招き猫はどちらも幸運を呼ぶものではありますが、
実は招くものがそれぞれ違うんだそうです。

 

右手を上げている招き猫は金運を招き、
左手を上げている招き猫はお客さんを招くんだとか。

 

「では、両手を上げている招き猫を作れば最強なんじゃないか?」
と思った方もいると思いますが、実はそうした招き猫もいるそうです。

なべざらし

ちなみにこの話を始めて見た時、俺も両手上げてれば最強か!?と思いました。

 

 

しかし、商売をする方々にしてみると、
両手を上げていると言うのは「お手上げ状態」や
「商売あがったり」というのを連想させるらしく、
イメージは良くないんだとか。

 

左右の招き猫を一対揃えるのがいいかもしれませんね。

 

招き猫は手の長さで効果が変わる!?

 

また、招き猫はものによっては
上げている手の長さが長いものや標準的なものがありますが、
長いものの方がより強く幸運を招き寄せるんだとか。

 

これは、遠くの人を招く時には手を自然と高く上げることから、
招き猫も手を高く上げている方がより遠くの幸運も招くからと言われています。

 

ちなみに耳よりも高く手を上げている招き猫を
「手長」と呼ぶんだそうです。

 

三毛猫の招き猫は特に縁起が良い

招き猫には様々なデザインがありますが、
中でも三毛猫の招き猫は特に縁起が良いと言われているようです。

 

三毛猫のオスというのはなんと1000匹に1匹しか生まれない希少な存在で、
古くから世界中で貴重な生き物と見られていました。
これが三毛猫=縁起が良いという説の由来かもしれません。

さぼすけ

三毛猫のオスは珍しいって聞いたことあるけど、世界規模でレアな生き物という認識だったんだな。

また、前述の井伊直孝さんが落雷を回避したエピソードで
井伊直孝さんを招いて救った猫も三毛猫なんだとか。

 

招き猫は色で効果が違う!?

 

昔から親しまれてきた招き猫ですが、
現代になると様々な色のバリエーションも作られ、
見た目の種類も増えてきました。

また、これらの招き猫は実は色ごとに
ご利益が違うとも言われています。

一例を挙げると

・白=開運招福
・黒=家内安全
・金=当然の如く金運上昇
・赤=健康長寿
・ピンク=恋愛成就

などなど。

 

もういっそのこと各色の招き猫を
全部家に揃えておくと最強になれるかもしれませんね。

 

時代が進むにつれて露骨になっていく招き猫

 

これも招き猫の雑学ですが、
招き猫は時代が進むにつれて欲が強くなっているのでは!?
という意見も見られます。

 

というのも、招き猫が持っている小判に書かれている額が、
時代を追うごとに高額になっているからなんだとか。

 

最初は小判を持っていなかったと言われている招き猫も、
いつしか小判を持つようになり、その額も

・千両
・万両
・百万両
・億万両

という感じに高くなっていっています。

 

もっと時代が進むと招き猫が招く金額は兆になったり京になったり、
国家予算に匹敵するくらいになるかもしれませんね。

 

なべざらし

招き猫の要求額は留まることを知らない…。

 

オッドアイの招き猫はさらに縁起が良い!?

 

招き猫の中には、左右の眼の色がそれぞれ違う
オツドアイの招き猫も見られますが、
このオッドアイの招き猫は縁起が良いと言われいます。

 

オッドアイというのは日本では古来から「金目銀目」と呼ばれ、
珍しくて縁起の良い物とされていたんだそうです。
これがオッドアイ招き猫の縁起の良さの由来かもしれませんね。

 

ただ、実際に金色と銀色のオッドアイの招き猫というのは少なく、
実際の猫にもよくある金色と青色のオッドアイの招き猫が多いんだとか。

 

招き猫まとめ:由来となるエピソードがどれも印象的だった

 

普段お店や飲食店などに行くとよく見かけていた招き猫、
今まで何の気なしに見ていましたが、
その由来を調べるとけっこう面白いエピソードが多かったのが印象的でした。

 

どれが本当なのかは分かりませんが、
個人的には井伊直孝さんの落雷回避のお話が好きなので、
これが本当の説だったらな~と思います。

 

縁起物とかにはあまり関心がありませんでしたが、
何だか調べていたら興味が湧いたので、
今度出かけた際などに招き猫を探してみたいと思います。

 

なべざらし

もちろん、オッドアイで三毛猫で手長、要求額が高額なやつをな!

さぼすけ

左右一対揃えることも忘れるな!