お正月になると、何故か毎年と言ってもいいほどマグロの一本釣りに関する番組をやってるような気がしないか?
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言われてみれば確かに毎年やってる気がするな。
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まあ別に毎年マグロの一本釣り番組をやるのは別にいいんだよ。けっこう好きだし。ただ、個人的にどうしても気になるのが、そもそも何で一本釣りという漁法が存在するか~ってとこなんだよね。今は技術が発達してるわけだから、網とかでガサーっといっぺんに捕まえてしまった方が楽なんじゃないか…って思わない?
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う~ん。確かに、カツオとかも一本釣りが有名だけど、何で一本釣りというちょっとアナログな感じの漁法が現代でも使われているんだろうか…。
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というわけで、今回はそんな一本釣りのメリットなどなど、一本釣りに関する雑学をご紹介していきたいと思います。
一本釣りとはどんな漁法か?
では、まずは一本釣りというのはそもそもどういう漁法なのか?
詳しく見ていきましょう。
一本釣りというのは1本の糸に1~数個の釣針をつけて魚を釣る漁法のことで、
釣り竿を使って水深の浅い所にいる魚を釣る「竿釣り」と、
釣糸を手で操作して水深の深い所の魚を釣る「手釣り」の2種類があります。
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竿釣りの代表例はカツオで、マグロは後者の手釣りの方になるね。
また、カツオやマグロの他にもサバやイカなども一本釣りされ、
特にイカなどは機械による自動釣りが発達しているようです。
何故一本釣りするのか?
では、今回の本題である一本釣り漁の必要性について
語っていくことにしましょう。
網でガサーっと一度に大量に魚を捕まえてしまった方が
楽でたくさん獲れるように思えますが、
何故一本釣り漁の方法は今日まで続いているのでしょうか?
実は、これは釣った魚の鮮度を保存するためというのが理由なんです。
網での漁、すなわち巻き網漁はの場合は、
一度にたくさんの魚を網で捕獲するという都合上、
網の中で魚同士が激しくぶつかり合ったり、
時には他の魚からの圧力によって潰れてしまったりすることもあります。
そうなると、見た目的にも損傷が激しくなってしまって、
商品価値も下がってしまいます。
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魚を売って生活している漁師さんにとっては、商品価値が下がってしまうのは死活問題だな。
さらに、劣化してしまうのは見た目だけの問題ではありません。
釣り上げられたマグロやカツオというのは激しく暴れます。
すると、全身が激しい運動によって焼けてしまう
「身焼け」という現象が起きてしまいます。
この身焼けが起きてしまうと、
カツオやマグロの品質は著しく低下してしまい、
その分値段もグッと下がってしまいます。
この身焼けがいかに起こらないように釣り上げるか、
いかに身焼けが起こる前に処理をするかというのが
漁師さんの腕の見せ所なのですが、
網でガサーっと一度に捕まえた魚を身焼けさせずに処理するのはさすがに無理!
そのため、網で捕まえると身焼けによって
味の面でも品質が落ちてしまうことが多いんだそうです。
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俺もヤバイ時とかけっこうビッタンビッタンして暴れているので、身焼けを起こしているのかもしれない。
しかし、一本釣り漁の場合は身焼けを
起こさないように釣り上げる工夫が出来たり、
釣った後すぐに冷凍保存することによって
鮮度を保ったまま出荷することが出来ます。
そのため、1匹あたりの値段も高くなり、
漁師さんにとっては嬉しいと言うわけですね。
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つまり、一本釣りは量よりも質を取った漁法って言う事だな!
また、一本釣り漁法は一度に大量に魚を取らないため、
環境資源に対しても優しい漁法としても注目されています。
マグロは昔は下魚だった?
当初の目的であった一本釣りの謎も解けましたので、
続いてはマグロに関しての雑学をご紹介していきます。
現代でこそお寿司のネタやお刺身の代表的存在、
高級魚として知られているマグロですが、
実は昔の扱いは良いものではなかったそうです。
マグロはなんと縄文時代から食べられていたようで、
古事記や万葉集にも「しび」という名で登場しています。
しかし、江戸時代の文献である「慶長見聞集」などでは
「しびという響きは、死日に似ている」と書かれており、
不吉なものとして扱われていたようです。
また、食材としての面でも優遇はされておらず、
「魚が好きな猫もまたいで通る」という、
いわゆる「猫またぎ」と言われていました。
これはひとえに、当時は冷凍技術が未発達であり、
マグロの鮮度を維持することが出来なかったことが理由とされています。
特に、現代でこそ重宝されているトロの部分は
特に腐敗しやすい部分だったので、
マグロの中でも特に不要な部位だったそうです。
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今ではトロは高級魚であるマグロの中でも貴重な部位。でも昔は下魚だったマグロの中でも特にいらいない部位。現在と昔ではマグロの扱いは真逆と言ってもよかったんだな。
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冷凍技術の進歩のお陰で、マグロも名誉挽回が出来て良かったな~。
現在我々がマグロを美味しく食べることが出来るようになったのも、
やはり技術の進歩の賜物ということですね。
カツオには旬が二回ある?
続いてはカツオについての雑学です。
カツオと言えば有名なのが、5~6月にかけて獲れる初鰹!
(初鰹の季節は地域に寄って差があります。)
あっさりとした味が特徴で、
古くは「女房子供を質に出してでも食え」
なんて言われていたんだとか。
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どんだけカツオ好きなんだよ…。
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逆に女房子供からしてみたら、亭主を質に入れてでも食べたいくらいだったのかもしれんぞ。
しかし、実はカツオの旬はこの初鰹だけではありません。
実は9月から10月にかけて獲れる戻り鰹というのもあります。
カツオは回遊魚なので、春は黒潮に乗って北上し、
秋頃になると産卵のために南下をするのですが、
この秋頃のカツオというのは産卵のためにたっぷりと脂肪を蓄えているので、
戻り鰹は脂が乗っていて非常に美味なんだそうです。
あっさりとした初鰹と、濃厚な脂の戻り鰹。
カツオは一粒で二度美味しい魚と言えますね。
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ちなみに、初鰹はたたき、戻り鰹は刺身で食べるのが美味しいらしいぞ。
一本釣りまとめ:単なる伝統的な漁法というわけではなかったんだね
一本釣り漁法は調べる前は
単なる伝統だからやってるというだけの非効率な漁法なのかな?と思っていて、
もしかしたらこの先なくなるのではないかと考えていました。
しかし、調べてみるとカツオやマグロなどの
魚の鮮度を高く保つことが出来る非常に有用な漁法で、
逆に注目されているというのを知って驚きました。
我々が美味しくお魚を食べることが出来ていたのも、
こうした漁師さんたちの努力があったお陰なんだな~と思うと、
これからは何となく食べていたマグロやカツオも
よりおいしく食べることが出来るかもしれません。
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それでは、今回はこれでおしまい。明日は回転寿司とかでマグロやカツオを食べてみたいな~と思います。