日本の文化と言えば茶の湯・茶道。そして茶道と言えば茶室なわけです。

まあそうだな。

んで、茶室についてちょっと気になったんだけど、何で茶室の入り口ってあんなに狭いのかね?

茶室のあの狭い入り口ってのは、「にじり口」というらしいぞ。土下座みたいに低い姿勢にならないと入れないからにじり口なのだ。ちなみに何故そんな構造なのかは知らん。

というわけで、今回は茶室の入り口であるにじり口についての雑学をご紹介していきたいと思います。
茶室のにじり口とは一体何なのか?
日本といえばお茶、お茶と言えば茶道、
そして茶道と言えばやはり茶室はつきもの!

このブログは一部、独断と偏見に基づいて物事を語っている節があります。
で、そんな茶室なのですが、その入口は冒頭でもご紹介したようににじり口と呼ばれており、
非常に狭くて土下座スタイルでないと通過することが出来ないくらになっております。

俺は最初から低姿勢なのでそのまんまで行けそうだけどね。
一体何故そんな小さな入口にしてしまったのか…
茶道界最大の謎と言っても過言ではないでしょう!

過言すぎる…。
ということで、ことの真実は次の項目でご紹介します!
にじり口が狭くなっている二つの理由
にじり口が狭くなっているのには、
二つの理由があると言われています。
一つは、茶室の中は日常とは違う非日常の空間なので、
それをより感じてもらうためというもの。
そして、もう一つは茶室の中では
誰もが平等な存在であるということを表すためなんだとか。
このにじり口を考案したのは、
皆さん歴史の授業で耳にしたことがあるであろう
茶の湯の開祖・千利休だそうです。
そして、千利休が生きていた時代というのは、
当然腰に刀を携えた武士もいた時代です。
茶の湯は武士にとっても重要な社交の場だったそうですが、
もし茶室の中に刀を持って入れるようにしたら、
きっと同席している人達なども些細なことでトラブルになり、
最悪ぶった斬られてしまうのでは…と気が気じゃなかったことでしょう。
茶室の中は非日常空間、そして誰もが平等な場です。
なので、武士も武士ではなく、ただの人に過ぎません。
ということで武士のシンボルである刀は入れないように、
狭い入り口であるにじり口を開発したということですね。
ちなみに、刀は茶室の外にかる刀掛けに掛けてから入るんだそうです。

茶室の中では皆が平等…ということは、動物界最底辺に位置する俺も、茶室の中では食物連鎖の頂点に位置する人間と同レベルの存在になれるということだな。

あくまで理屈の上ではだけどそういうことになる。…可能性もある。

茶室の中で暮らしてぇ…。
にじり口の寸法はどれくらい?
狭い狭いと評判(?)のにじり口ですが、
実際どれくらいの狭さなのか?と言いますと、
その寸法はおおよそ60~70cm四方と言われています。
60cmと言うと小学校などで使う
30cmの物差したった2本分くらいの高さしかありません。
(当たり前ですが)
それだけの狭さだと、恰幅の良い人などは
そもそも入室が不可能な場合もあったのではないかと思います。
スムーズな茶道にはスリムな肉体も必要。
ちなみに、刀の長さというのは
大体約70cm前後くらいが多いそうです。
確かにこれでは刀を腰に差したままの入室は困難ですね。

刀が入れないというコンセプトはいいんだけど、こんだけ狭いとそもそも体が大きい人は茶室に入りにくくなってしまうから、茶道をやる上で不利だよね。

茶道の有利不利ってなんやねん。
にじり口のヒントは船
ちなみに余談ですが、
千利休が茶室のにじり口を考案するヒントになったのは
川に浮かぶ船座敷だったと言われています。
船座敷というのは、船の上に小さな建物が乗っているようなあれですね。
船座敷の建物というのは小さいので、
中に入る時にはちょっと姿勢を低くしないといけません。
それがにじり口開発のヒントになったんだとか。

船座敷って乗ったことないけどどんな感じなんだろうね。何か楽しそう。

しかし、船座敷がヒントになってにじり口を思いついたっていうのもすごい話しだよな。些細なことをヒントに色々思いついたりするもんだな。
にじり口以外の入り口もある
茶室には実はにじり口以外にも入り口が設けられている場合がありますので、
次はそれらについてちょっとご紹介していきたいと思います。
給仕口
まずは給仕口についてです。
こちらは文字通り、茶室への給仕作業をスムーズに取り付けられている入り口のこと。
給仕作業をする時もわざわざにじり口を使って
行わなければならないとなると面倒ですからね。
貴人口
続いてはこの貴人口(きじんぐち)についてです。
貴人口というのは字面を見るとなんとな~く分かるように、
身分の高い高貴な人用の入り口です。
この貴人口というのはにじり口とは違って、
立ったまんまでも普通に入れるようにただの障子戸になっています。
茶室の中は平等…とは言っても、さすがに高貴な身分の方に
にじり口から入らせるようなことをすると失礼に当たるかな…と、
千利休も思ったのかも知れませんね。

やはり平等をいくら謳っても、実際に実現するのは難しいということだな。

やはり権力には勝てないのか…。
にじり口以外の狭い入り口
これはにじり口とは直接関係がある話ではありませんが、
江戸時代の見世物小屋や歌舞伎では、
「鼠木戸(ねずみきど)」という狭い入り口を使っていたんだとか。
こちらの鼠木戸には、無料で入場しようとする人を防ぐという理由があったんだそうです。
ちなみに、高級観客は茶屋から歌舞伎や見世物小屋に入ったそうなので、
この鼠木戸を低い姿勢で通るようなことはしなくても良かったそうです。

俺はどれだけ強い権力を持ったとしても、多分鼠木戸とかにじり口とかの方がサイズ的にぴったりだからそっちから入ることになりそう。
実は全部の茶室がにじり口なわけではない
ここまであたかも「茶室の入り口=にじり口」
であるかのように語ってきましたが、
実は茶室の入り口というのは必ずしもにじり口であるわけではありません。
というのも、茶室には種類があって、
四畳半の大きさを基準に
- それよりも小さい茶室である「小間の茶室」
- それよりも大きい茶室である「大間の茶室」
と分かれています。
このうち、大間の茶室には実はにじり口がなく、
普通に出入りができるような構造となっています。
逆に小間の茶室の場合は
入り口がにじり口になっているパターンが
ほとんどのようですね。

大きい茶室にはにじり口が無いってことは、そもそも大きい茶室は身分が高い人達が使うことを想定して作られた茶室だったってことなのかな?

もしかしたらそうだった可能性も無きにしもあらずって感じだな。

俺は広い部屋よりも小さい部屋の方が落ち着くから大間じゃなくていいや。
…というわけで、今回は茶室の入り口であるにじり口について、
何故あんなに小さく狭く作られているのか?
という理由をご紹介させていただきました。
まとめると
- にじり口は非日常感を演出するものの一つ
- 茶室の中は帯刀厳禁!だからにじり口は狭い!
- にじり口の寸法は大体60~70cm四方
- 全部の茶室の入り口がにじり口になっているわけではない
という感じです。
もしかしたら、俺も生きているうちに
数回くらいは茶の湯の席に参加することがあるかも知れません。
そんな時は、今回調べた知識を遺憾無く発揮していきたいと思います!
それでは、今回はこの辺で終わりです!
また何か別の雑学でお会いしましょう!