なべざらし

以前は綿とかポリエステルとか、俺たちが普段からお世話になっている繊維についてご紹介するという回を設けましたな。

さぼすけ

そうだな。

なべざらし

で、今回は余り俺たちがお世話になることのない高級繊維である絹、つまりシルクさんについてご紹介していきたいと思うんだがどうだろうか?

さぼすけ

シルク(絹)は高級だからあんまりシルク(絹)製の服って買うこと無いけど、まあ雑学として色々紹介するというのは自由だからな。

なべざらし

そう、雑学を語るだけなら俺たちのような一般人でも高級品に気兼ねする必要はない!絹だろうが松阪牛だろうがダイアモンドだろうが何でもアリなのだ!

さぼすけ

というわけで、今回は高級繊維であるシルク(絹)についての雑学をご紹介していくぞ。

 

 

 

シルク(絹)はどうやって作られてるの?

シルク(絹)といえば高級な繊維として有名ですが、
そんなシルク(絹)は一体何を原料に作られるのか?
まずはそこからご紹介していきます。

 

シルク(絹)というのは綿のように植物から取れるわけではなく、
生き物から取れる動物性繊維です。

 

では一体どんな生き物から取れるか?と言うと、
「蚕(かいこ)」という虫から取れるそうです。

 

蚕は正式には「カイコガ」という名前で、
白い色が特徴の虫。

 

幼虫時は芋虫と同じような形をしていますが、
成虫になると白いフワフワした毛を持つ蛾になります。

 

さぼすけ

ちなみに蚕の成虫は蛾にしてはけっこう可愛い見た目をしています。

なべざらし

可愛いということは俺の商売敵でもあるということだな。

さぼすけ

相手は可愛いだけではなく高級繊維を生み出してるから、お前とは社会への貢献度が違いすぎる。勝てる相手ではないぞ。

 

幼虫は成虫になる前に糸を出して繭を作り、
自分の体を包み込みます。

 

この繭の糸を加工したものがシルク(絹)というわけですね。

 

 

蚕は自然では生きていけない悲しい生物…

ちなみにシルク(絹)の話からはちょっと外れますが、
このシルク(絹)の原料となる繭を作ってくれる蚕は
非常に弱々しい虫で自然界ではもう生きていけないそうです。

 

どれくらい弱々しいかと言うと、
自分で木や葉っぱに掴まっていることすら出来ません。

 

虫と言えば垂直な壁や天井なんかにも
余裕で張り付いているイメージがありますが、
蚕にはそれが出来ないんですね。

 

また、蚕は目立つ白色をしているため外敵の目にもとまりやすく、
野に放つと瞬く間に美味しく頂かれてしまいます。

 

蚕が弱々しいのは成虫になっても同じです。

 

蚕の成虫は羽がありますが筋肉が弱くて飛ぶことが出来ず、
しかも餌を食べることもないので約10日ほどで死んでしまいます。
子孫を残すためだけに成虫になると言っても過言ではありません。

 

何故こんな弱々しい生物なのかと言うと、
これは人間による品種改良が繰り返されてきたからと言われています。

 

蚕を飼育してシルク(絹)を得る養蚕(ようさん)の歴史はなんと
5000年前から始まったと言われています。

 

その頃から脈々と蚕は品種改良が重ねられていき、
その影響で現代の人間なしでは生きられない生物になったんだとか。

 

犬も野に放てば野犬になりますし、
豚も野に放てば野生化します。

 

しかし、蚕は野生で生きていくことは不可能で、
野生回帰能力を完全に失った唯一の生物と言われています。
何だか悲しいですね。

 

さぼすけ

人間のエゴが生み出した悲しき生物ということだな…。

なべざらし

人間が滅ぶと蚕も一緒に滅んでしまうということか。

 

シルク(絹)の特徴とは?

高級繊維として知られるシルク(絹)ですが、
一体どんなメリットがあるのか気になりますよね。

 

ということで、次はシルク(絹)の特徴について
ご紹介していきたいと思います。

 

シルク(絹)の特徴としてまず挙げられるのが、
美しい光沢を持つことです。

 

シルク(絹)の断面というのは三角形になっていて、
この形状がシルク(絹)の光沢の秘密なんだとか。
なんとなく気品のある感じがしますよね。

 

次に、肌触りが良いというのもシルク(絹)の大きなメリットです。

 

シルク(絹)は繊維が非常に細いため、
滑らかな肌触りがしていてたまりません!

 

しかも、シルク(絹)というのは前述の通り蚕の繭の糸で出来ていますが、
この糸は主に18種類のアミノ酸によって構成されています。

 

この構成というのが人の肌に近い成分なので、
肌にも優しいんだそうです。

 

また、熱伝導率が低いため夏涼しく冬は暖かい、
保湿性に優れるため静電気が起きにくいというのも特徴。
高級繊維とされるのも納得の多機能ぶりですね。

 

さらに、絹は実はけっこう頑丈で
引っ張っても破けにくいのも特徴。
羊毛などよりも頑丈なんだそうです。

 

ただ、シルク(絹)も万能ではなく欠点もあります。

 

例えば、

・繊維が細いため摩擦に弱い
・水分に弱くシミになりやすい
・水分に弱いためご家庭での洗濯が困難
・太陽光などで変色してしまいやすい
・虫に食われやすい

などなど。

 

高性能な反面保存やメンテナンスの面で
問題点が多いのがネックです。

 

なべざらし

シルク(絹)は多機能だけど、生みの親である蚕のように繊細な繊維でもあるということですな。

さぼすけ

保存や洗濯に難があるというのは一般のご家庭にとってちょっと困った所ですな。

 

シルク(絹)は実は食べられる!?

 

高級繊維として名高いシルク(絹)ですが、
実はその用途は衣服だけにあらず!
実は食品として食べることも出来るんだとか。

 

そもそ日本や中国、韓国では蚕の蛹を佃煮にした物があったそうなので、
シルク(絹)が食べられるというのもおかしい話ではないですね。

 

代表的なものとして、シルク(絹)を粉状にした
「シルクパウダー」というものがあります。

 

文字通りシルク(絹)を粉状にしたもので、
食べ物などに混ぜて摂取するのが良いんだとか。

 

ちなみにシルク(絹)には

・コレステロールの低下
・抗酸化作用
・アルコールの分解
・認知症の予防

などなど、様々な健康効果があるそうです。

 

着心地がいいだけではなく食べても体に良いとは…。
シルク(絹)はやはり高級繊維だけありますね。

 

なべざらし

着てよし食ってよしとはさすがシルク(絹)ですな。

さぼすけ

高級繊維でもあり、高級食材でもあるのか。

 

シルク(絹)は燃えない?

 

また、これもシルク(絹)についての雑学ですが、
シルク(絹)というのは火をつけると焦げることはあっても
燃え上がることはないんだそうです。

 

通常の化学繊維というのはおよそ200度くらいで燃焼するそうですが、
シルク(絹)は300~460度くらいにならないと燃えないとのこと。
耐火性にも優れているんですね。

 

また、化学繊維は燃えると有毒なガスが発生したりしますが、
シルク(絹)の場合は髪が焦げるような臭いがするだけで有毒ガスは発生しないそうです。

 

なべざらし

虫が吐き出す糸とは思えないほど高性能!

さぼすけ

逆に言うと、自然の生物が吐き出す糸が元だから毒ガスとかが出ないとも言えるな。

なべざらし

蚕はもう自然の生き物と言って良いのか分からんけどね…。

 

シルク(絹)についてのまとめ:高性能だけど繊細な繊維

 

高級なのであまり袖を通す機会がないシルク(絹)ですが、
調べれば調べるほど様々なメリットがあり、
ちっぽけな虫の繭が原料というのが信じられないくらいですね。

 

しかし、保存や洗濯に気を使うというのは
ちょっと手間がかかってしまうので考えもの…。
値段だけではなくここらへんも手が出しにくい理由になるかも。

 

ともあれ、いつか一着くらいは絹の衣服を買ってみたいな~と思いました。

なべざらし

あと、シルクパウダーもいつか食べてみたいと思います。どんな味なんだろうね?

さぼすけ

それでは、今回はこのへんで。