俺達の生活は紙に依存している!!
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? まあ確かに紙が無いと困るけどな。
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紙が無いとドラ〇ボールも読めないし、暇な時のいたずら書きも出来ない!ついでに仕事の時とか困る!
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仕事はついでかよ。
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でも、いっつも当たり前のように俺達紙を使って生活しているけど、紙ってそもそもいつ作られたのか気にならない?
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だから今回は紙の起源とか歴史について調べようって?
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そういうことだっ!!
紙の起源と歴史:中国が始まりか?
それでは早速紙の起源について調べていきましょう!
普段俺達が書類を作ったり、暇な時にいたずら書きしたり、
漫画を読むために使っていたりする紙…
一体いつどこで作られ始めたのでしょうか?
実は、世界最古の紙は中国で作られたのではないか?
という説が有力なんだそうです。
1986年に中国甘粛省の放馬灘という所から、
前漢時代の地図が書かれた紀元前150年頃の紙の断片が出土したんだとか。
ちなみにこの紙は「灞橋紙(はきょうし)」という名前の紙だそうです。
また、「後漢書という文献によるとで、
西暦105年の頃には蔡倫という方が樹皮やアサのぼろから紙を作り、
当時の皇帝であった和帝に献上した…という記録があるようです。
昔はこの蔡倫さんが紙を開発した人だと言われていましたが、
1986年の灞橋紙の発見によってその説は覆され、
現在では紙の作り方を確立した人なのでは?と言われています。
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へ~そんな昔から紙は存在していたのか…。
この蔡倫さんが作った紙は「蔡侯紙」と呼ばれ、
軽くかさばらないため記録用媒体としてもってこいで、
それまで使われていた木簡や竹簡(木の板を連ねて紙のようにしたもの)、
または絹布に代わって普及していったそうです。
また、西晋の時代(3世紀頃)になると、
左思と言う方の「三都賦」を写すために紙の価格が高騰したらしく、
それが元で「洛陽の紙価を高からしむ」という故事成語まで出来たんだとか。
紙はその後も時代と共に改良されていき、
唐時代(8世紀頃)には樹皮を主原料とした紙や、
竹や藁を原料として混ぜた紙も出来るなど、
製法も幅広くなっていきました。
紙は昔は高級品だった!?
今でこそ紙は当たり前のように俺達の生活のそこかしこで使われていますが、
まだ製造技術が発達していない昔の時代はとても貴重な物だったんだそうです。
例えば、清の第5代の皇帝は質素・倹約がモットーの人で、
重要な文書の作成ではない限り紙は裏返して使うようにしていたんだとか。
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今でもこんな風に紙を節約するようにしている会社とかあるよね。
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この頃はいまよりももっと紙は貴重品だったろうし、かなり徹底していたのかもな。
また、ちょっと面白い話では、
11世紀の詩人であった蘇舜欽という方は、
自分が勤めていた役所で出た書き損じの紙を売って、
そのお金で宴会を開いていたんだとか。
しかもそれが原因で横領犯として糾弾されたんだそうです。
今の時代ではまっさらな紙を
何百枚、何千枚、何万枚売れば宴会を開けるのか分かりませんが、
昔は書き損じの紙を売るだけで宴会が開けるくらい儲けることが出来たと考えると、
相当高価な物だったと言う様子が見てとれますね。
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皆さんも書き損じの紙を売って宴会を開くような横領はやめましょう。
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現代ではそれで稼ごうとするよりも普通に働いた方がはるかに儲かると思うけどな…。
世界各地に広がる紙
中国での紙の発明と進化は、
やがて国境を越えて世界中に広がっていくことになります。
例えば、我々日本に紙がやって来たのは3世紀頃、
卑弥呼の時代だったと言われています。
ただし、この頃は紙を作る技術までは伝わらず、
紙が作れるようになったのは5~6世紀くらいになってからなんだとか。
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昔から交流があっただけあって、けっこう早くに紙は日本に来てたんだね。
また、戦争がきっかけで紙の技術はイスラム世界にも伝わりました。
751年に起こったタラス河畔の戦いでのこと、
アッバース朝軍に捕えられた唐の兵隊の中には
元々紙職人をしていた方がいたんだそうです。
このことがきっかけでイスラム世界にも紙の技術が広まり、
757年にはサマルカンドという場所に製紙工場も造られたんだそうです。
その後もイスラムでの紙の製作は盛んになっていき、
・バグダッド
・ダマスカス
・カイロ
・フェズ
などなど、各地に製紙工場が造られ、
イスラム世界で紙は主要な筆記媒体となっていきました。
また、ヨーロッパの方に輸出もされていたそうです。
そんなヨーロッパ地方でも、
1144年にはイベリア半島にヨーロッパ初の製紙工場が造られました。
また、その後も1189年にはフランスのエローでに、
1276年にはイタリアのファブリアーノに製紙工場が造られ、
紙文化はどんどん広がっていきました。
さらに、1282年にはファブリアーノ工場で透かしの技術がが発明されたんだとか。
紙はただ広まっただけではなく、着実に進化もしてるんですね。
その後1690年になると、海を渡ったアメリカの
フィラデルフィアにも製紙工場は建てられたんだそうです。
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中国を中心に、どんどん紙の文化は広がっていったんだな。
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まあこんだけ便利な物なら確かにすぐに広まっていくよね。
現在の紙の生産体制の確立
その後も紙は世界中で筆記媒体などに活用され、
ヨーロッパで製紙の機械化が進んだことをきっかけに
製紙技術も進化を繰り返していき、
大量に生産されるようになっていきました。
ちなみに、現代のような紙の生産体制が整ったのは
20世紀の中頃あたりなんだとか。
こうして、紀元前から始まった紙の歴史は今に至るわけです。
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こうした歴史があったからこそ、俺は今漫画を読めるわめですな…。ありがたやありがたや。
紙が出来る前は何に書いてたの?
ここでちょっと話の流れは逆行してしまいますが、
紙が中国で開発される前は一体何に文字などを書いていたのか?
というのについてお話していきたいと思います。
日本や中国では、前述の通り木の板を連ねた木簡や
絹の布などを代用としていましたが、
他の国ではどうだったのでしょうか?
例えば、古代エジプトなどでは
パピルスという植物の幹を薄く削ぎ、
直角に交差させてから叩いて接着したものを
紙の代わりとして使っていたようです。
「パピルス(papyrus)」は英語で紙という意味の
「ペーパー(paper)」の語源になったと言われていて、
このパピルスが紙の起源だという説もあります。
その他で言うなら、例えばインドなどでは
ヤシの葉を加工したものを紙の代わりにしていたとされています。
また、西アジアやヨーロッパの方では、
動物の皮を筆記用に加工した羊皮紙というものが使われ、
古代メソポタミア文明ではなんと
泥を板状にして干した粘土板が使われていたんだとか。
紙の技術が普及するまでは、
皆それぞれその土地に合ったものを
使っていたって感じですね。
和紙の特徴と歴史について
最後に、日本独特の紙文化である和紙についても触れていきたいと思います。
まず、和紙の定義についてですが、
実はこれがけっこう曖昧なもので
ミツマタ・コウゾ・ガンピなどの靭皮繊維を原料として、
手漉きで作る日本古来の紙。
というものなんだそうです。
そう考えると、5~6世紀頃に日本で紙の歴史が始まって以来、
機械での紙製造が始まるまでの製法で作られたものは全て
和紙という事も出来ますね。
そもそも、和紙という表現が使われるようになったのは明治時代以降の話で、
それ以前は全て紙と呼んでいたそうです。
明治時代というのはアメリカから
機械による紙の製造技術が伝わってきた時期で、
それを機に従来の作り方で作っていた紙を和紙、
海外から伝えられた製法で作った紙を洋紙と
呼び分けるようになったのではないでしょうか。
そう考えると、和紙の歴史はおよそ1400年以上とも取れる一方、
明治になって生まれたとも取れるので、
長いんだか短いんだかよく分からない感じですね。
そんな和紙の特徴ですが、それは何と言っても
柔らかく強靭で高い保存性を誇っている点です。
和紙の保存性はなんと1000年以上とも言われており、
世界中の文化財の修復にも活用されているそうです。
また、その他にも日本の紙幣の素材として使われたり、
卒業証書などに使われたり…大事な紙には和紙が使われることが多いようです。
しかし、そんな和紙の生産量は
原料や職人の後継者不足などによって
減少が危惧されているとのこと…。
紙についてのまとめ:もしかしたら世界で一番偉大な発明の一つかも?
紙の起源は中国ですが、
紙はそこから世界中に広まり、
どこの国でも作られるようになりました。
それはつまり、紙はどこの国の人にとっても
有用な物だったという事の証明だと思います。
そして、今現在我々の生活は
紙によって成り立っている部分が非常に多く、
まさに紙様様と言った感じです。
紙を開発した方が誰なのかは分かりませんが、
本当に天才だったんだろうな~と思いました。
あと印象的なのは和紙についてですが、
1000年以上も保存出来るってマジかよ…と思いました。
日本人は時々とんでもない物を作りますよね。
世界中の文化財の修復にも使われているとのことで、
和紙は日本を代表する物の一つなんだな~と誇りに思いました。
後継者不足などの問題に負けず、
これからもたくさん生産して欲しいと思います。
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それでは、今回はこのへんで寝ます!