アメンボみたいに水上をスイーッと移動したい。

今度は一体どうしたってんだ…。

サボテンに生まれついたサボすけには分からんかもしれないけど、水の中を泳いで移動するのってすんげぇ大変なわけよ。空気中とは抵抗が全然違うし。その上俺は普段部屋でゴロゴロしてるから、たまに泳ぐとスイミングスクール帰りの小学生みたいにヘトヘトになるわけ。俺疲れるの嫌なんです。

それは普通にお前の生活習慣が悪いだけだろ。

だから、アメンボみたいに水上を移動出来れば楽ちんなんじゃないかな~と思って。

お前アザラシとして泳ぎまで否定するのはどうなんだ…。

ただ、アメンボはどうして水上に浮いているのか分からん…。まさか足が水に沈む前に上げてを超速で繰り返してるわけでもないだろうし…。というわけで、今回はアメンボについての雑学を調べてみようと思います。
アメンボってどんな生き物?
それでは早速、アメンボとはどういう生き物なのかを調べてみましょう。
アメンボは、昆虫綱半翅目アメンボ科の昆虫の総称です。
大きさは体長およそ3mm~26mmほど。
体の色は黒や赤褐色で中脚と後脚が非常に長いのが特徴です。
特に中脚は体長より遥かに長いんだとか。
肉食の昆虫で、水面に他の虫やその死骸などが落ちると、
スイーッと素早く接近して針のような尖った口を突き刺し、
体液を吸って栄養としています。
アメンボの名前の由来は?漢字で書くと?
アメンボは水たまりや池などによくいますので、
きっとアメンボという名前は「雨」が関係しているのではないか?
と考えていたのはきっと俺だけではないと思います。
しかし、実はアメンボの名前の由来に雨は関係ないんだとか。
アメンボは漢字で書くと「飴棒」という美味しそうな名前なんだそうで、
これはアメンボの臭腺からは飴のような匂いがすることと、
体が棒のように細長いことから来ているんだそうです。
アメンボが水の上に浮く理由は?
では、今回の本題に入りましょう。
ずばり、アメンボは何故水に浮いているのか!?
という点についてです。
他の虫などは水の上に浮くことが出来ず、
そのまま沈んで溺れてしまいます。
しかし何故アメンボは水の上に浮いていられるのか?
一体どんな手品を使っているのか?
非常に気になる所ですよね。
実はこれは
・水の表面張力
・アメンボの足の構造
・アメンボの体重
この三つの要素が関係しています。
「表面張力」という言葉、皆さんも聞いたことがあると思います。
コップになみなみと注がれた水が、
コップの高さよりもわずかに高くなっているのに
こぼれそうでこぼれない!というのでよく知られていますよね。

ジョ〇ョの奇妙な冒険でこの表面張力を使ったギャンブルをしてたよね。
この表面張力というのは厳密に言うと、
「水は表面の面積をなるべく小さくしようとする」
という力のことを言うんだそうです。
例えば、水滴って丸い形をしていますよね?
あれも表面張力が働いている例の一つで、
丸い形と言うのは表面積が一番小さい形だからああなるのです。
何故表面張力が発生するのかと言うと、
これは水の分子同士の結びつきの強さによるものです。
水と言うのは、水の分子であるH₂Oがいくつも集まり、結びついて出来ています。
つまり分子同士にはお互いをくっつけ合う力が働いているという事です。
コップになみなみ注いだ水がこぼれそうでこぼれないのは、
重力よりもこの分子同士のつながりの方が強い状態だからと言えるでしょう。
そして、表面張力にはもう一つ特徴があり、
それは水を弾くものを上に押し上げようとする力が働くことです。
ここでようやくアメンボの登場ですが、
アメンボはこの上に押し上げる力を利用して
水の上に浮いています。
アメンボ足の先っちょには、
実は細かい毛がびっしりと生えていて、
この毛はさらに油分をまとっています。
皆さん知っての通り、水と油というのは
お互い混ざり合う事のないものですよね?
水に油を一滴落とすと、油は水の表面に浮き上がります。
これは先ほどご説明した表面張力によって
水を弾く油が上に押し上げられているからです。
そして、極めつけはアメンボの体重の軽さです。
アメンボは何と1匹あたり0,03gほどと
非常に軽い体重をしています。
この圧倒的に軽い体重で、
さらに足の先に油をまとわせることによって、
水の表面張力の力を利用して水の上に浮いているというわけです。

ちょっと分かりにくい説明で申し訳ないけど、まあ簡単に言うとアメンボはメチャクチャ軽い上に足に油をつけてて、その油が水に弾かれるのを利用して浮いてるって考えればいいかな?

つまりお前も0,03gくらいになるまでダイエットしないと水上を移動することは不可能ってことだな。

俺の野望は潰えた。
アメンボも溺れる
アメンボが水の上に浮いている仕組みは上記の通りですが、
ではアメンボを表面張力が弱い液体の上に乗せるとどうなるか?
と言いますと、実はそのまま沈んで溺れてしまうんだとか。
例えば、水に洗剤などを混ぜるとアメンボは溺れるというのは
けっこう有名な話でもありますよね。
また、食塩水や酢、油の上なども浮くことは出来ません。
アメンボはあくまで水の表面張力を利用しているだけで、
その条件が崩れてしまうと浮くことは出来ないし、
別に泳げるわけではないので普通に溺れてしまうんだそうです。

アメンボはあくまで水専門の浮く専門ってことですな。
アメンボの足は超高性能なセンサー!?
先ほど、アメンボの足の先っちょは細かい毛が密集し、
油をまとっているので浮くとお伝えしましたが、
実はアメンボの足の役割はただ浮くにとどまりません!
というのも、アメンボの足は非常に敏感な
センサーの役目を果たしており、
水面の波の振動をキャッチすることで
・水面に餌が落ちたかどうか?
・餌じゃなくて外敵かどうか?
・物の大きさ
・障害物の有無
などなどを感知することが出来るようです。
足でありながら我々で言う所の目以上の働きを
こなしていると言っても過言ではありません。

俺もこういう便利な機能の足があればシャチとかが近づいてきた時にすぐに察知出来るのかもしれない…この機能追加してくんないかな。
さらに、アメンボは自ら波を立てることによってメスを求愛したり、
仲間同士に自分の縄張りをアピールしたりもします。
本当に便利な足ですね。
また、余談ですが、アメンボ同士が縄張り争いをする際も
この便利な足を使って波を立ててどうにかこうにかするのかな?
と言われると実はそうではなく、普通に体当たりなどでケリを着けます。

そこだけは原始的な戦いになるんだな。
アメンボは空を飛ぶし陸を歩く
アメンボと言うと、雨上がりの水たまりなどにいるイメージがあります。
しかし、よくよく考えてみると、
水たまりというのは雨が降った後の一時的なものに過ぎないので、
アメンボは常に水たまりにいるのか?
と言われるとおかしな話になってきます。
アメンボは普段は別の所にいて、何らかの移動手段を使って
水たまりに来ているということになりますよね?
では、アメンボはいつもどこにいるのか?
と言うと実は普通に陸地にいますし、
どうやって水たまりに来るのか?
と言うと空を飛んだり歩いたりして来ているんだそうです。
あまり見る機会はありませんが、
アメンボは空を飛べるんだそうです!
また、アメンボは普段休む時などは陸地にいて、
水の上にいる時と言うのは言ってしまえば餌を探している時なんだとか。
そもそも、アメンボが水の上に浮くには
常に足先に油をつけていないといけませんので、
エネルギーを消費するわけです。
つまり常に水の上にいるのは非効率!
うっかりエネルギー切れになって油がなくなれば、
前述の通り溺れてしまうリスクすらあります。
そのため、餌探し以外の時は陸地で休んでいるんだとか。

ちなみにアザラシは陸地ではシロクマに襲われ、水中ではシャチに襲われるので心休まる場所がありません。
アメンボの飼育のコツや必要な食べ物とは?
アメンボはカブトムシやクワガタムシのように、
ペットとして飼育することも可能で愛好する人もいます。
主に水槽などに水を張って飼育することになりますが、
大き目の石を置いたり陸地を作ったりして、
アメンボが休める場所を作ってあげないと
前述の通り溺れて死んでしまうため注意しましょう。
また、アメンボの食べ物としては生きたハエやアブなどがベストで、
死んで乾燥してしまった虫は食べ物として向いてないようです。
食べ物は大体1日にハエ1匹くらいでOKで、
出来れば色んな昆虫を与えてあげると健康に良いんだとか。

生きたハエとかアブを用意するのがけっこうハードル高そうだな…。

割と餌を用意する点を考えれば飼育難度が高い昆虫なのかもね。
アメンボまとめ:高性能な足…かっこいい…
アメンボについて色々調べてみましたが、
やはり一番興味深かったのは非常に高性能な足!
表面張力を活かして水に浮く仕組みもさることながら、
細かな波を感じって獲物を見つけたり、
障害物を察知したり…なんだかこういう振動を感知する能力って
すごくかっこよく感じてしまうのは何故なんだろうか…。
いつもは何気なく見ていたアメンボですが、
これからはやたらかっこいい生き物にい見えてきそうです。

俺もアメンボ先生みたいにかっこよくなりてぇ…。