なべざらし

冬って寒くて何もしたくなくなるよね。仕事したくない。

さぼすけ

寒いと動く気が失せるよな

なべざらし

冬ってそもそも生き物が活動する必要ってある?何やるにしても過酷な環境じゃん?布団から出るという動作すら辛くなるし、冷たい廊下を歩くのも辛い。その後意を決して暖かい部屋から出るってのもかなり辛いよね。

 

なべざらし

つまり、人間も冬は働いてないで冬眠すればいいんだと思う。そうすれば俺も働かなくて済む。もしくは俺が冬眠する生き物なら、『すいません、ちょっと生物学的な都合で2~3カ月ほどお休みします!』と胸を張って宣言出来るな…。

さぼすけ

ようはお前働きたくないだけじゃねーのか。

なべざらし

今からでも遅くはない…冬眠の奥義を極めるために、今回は冬眠について調べてみることにします。

さぼすけ

冬眠ってそんな後付けでホイホイ出来るようになるんかな…。

 

 

冬眠とはどういう状態?

まずは冬眠とは一体どういう状態なのか?
詳しく調べてみましょう。

 

冬眠というのは狭義には常に体温を一定に保つことが出来る
恒温動物にあたる哺乳類や鳥類が体の活動の一部を停止し、
体温を低下させて休眠する状態のことです。

 

また、広義に見ると魚や両生類、爬虫類、
昆虫なども冬になるとこうした状態になります。

 

冬眠をする生き物には、冬眠する前にたくさんの餌を食べて脂肪を蓄え、
その脂肪を冬眠中の栄養源にする「過食型」。

 

そして、冬眠中に目が覚めた時に巣に蓄えておいた餌を食べる
「貯食型」というタイプが存在します。

 

なべざらし

俺は冬眠の前に死ぬほど食べてから寝て、途中で起きたら冷蔵庫に貯蔵しておいた食べ物を食べてまた寝るというパーフェクト型です。

さぼすけ

食い過ぎだろ…。

 

 

冬眠中は

・基礎代謝が落ち、体温が低下する(生物の種類によって程度がある)
・呼吸や脈拍数も下がる
・一定の間隔で目覚めて排泄をし、また寝る

という特徴があります。
(排泄に関しては一切しない生き物もいます。)

 

また、冬眠にはいくつか種類があって

・体温を外気温と同じ位に低下させ、2~3カ月の間冬眠するもの
・半日~1日くらいの冬眠を短期間で繰り返すもの
・体温の低下は普段から4~6度くらいと小さく、巣穴に籠るもの

などなどの種類があります。

 

 

何故冬眠するのか?

では、次は冬眠とは何故必要なのか?
という点についてお話していきたいと思います。

 

何故クマなどの動物は冬になると冬眠するのか?
それは一言で言うと「餌が無い時期を乗り越えるため」です。

 

冬と言うのは多くの植物は枯れてしまい、
春・夏・秋のように食べ物を見つけるのが困難になってしまいます。

 

しかも、寒い冬というのは体温を維持するために
いつもよりもさらにエネルギーの消費が激しくなる時期でもあります。

 

そんな時期に体を通常運転させていると、
消費するエネルギーに対して補給出来るエネルギーが足りない!
という状況に陥ってしまう可能性も十分に考えられます。

 

そうなってしまうと、当然体はどんどん痩せ細っていき、
最終的には死んでしまうでしょう。

 

そうした事態を避けるために、
冬は冬眠状態に入って体のエネルギーの消耗を抑え、
冬を越して暖かい春を待つ…ということですね。

 

なべざらし

冬眠っていうのは言ってしまえばエネルギーを節約してるってことだよね。

さぼすけ

過酷な自然の中を生き抜くために編み出した知恵ってことだよな~。

 

 

冬眠を邪魔されて死んでしまう場合もある

 

冬眠中というのは何も時期が来るまで自動的に
起きることなく眠り続けるというわけではありません。
刺激などによって起きてしまうこともあります。

 

そして、この冬眠が邪魔されてしまったことによって
死んでしまう場合もあります。

 

例えば、北アメリカでは「白い鼻病」という病気によって
冬眠中のコウモリが刺激されて起きてしまい、
それが原因で大量死してしまうという現象が見られました。

この白い鼻病というのは、コウモリの鼻にカビが生えてしまい、
そのせいで痒みが発生するという病気です。

 

痒みが発生するだけで通常は死んだりするような病気ではないのですが、
冬眠中にこれが起きると死活問題に発展してしまいます。

 

というのも、冬眠というのは前述の通り
エネルギーの消費を抑えて冬を乗り越えるために行う行為です。

 

それなのに、痒みの刺激によって起こされてしまうと、
その度に体は通常運転モードになってしまい、
エネルギーの消費が激しくなってしまいます。

 

餌が見つけにくい冬に体のエネルギー消費を抑えられないということは、
無駄に体力を消耗してしまった上に補給もままならないということなので、
コウモリ達は衰弱して死んでしまう…ということです。

 

冬眠というのは生き残りをかけた大切な行為!
なるべく邪魔されたくないものですね。

 

なべざらし

今からがっつり冬眠するから絶対起こすなよ?生き死にがかかってるから。

さぼすけ

お前のは冬眠じゃなくて昼寝だろ…。

 

 

冬眠中に寝不足になる!?

 

実は、冬眠というのは寝ている状態とは違うという説があり、
冬眠中に睡眠不足に陥るという意味の分からん状態になることがあると言われています。

 

例えば、リスなどは2週間おきに冬眠から目覚めるのですが、
これは冬眠によって睡眠不足になってしまったのを解消するために、
一旦冬眠から覚めて睡眠を行うんだとか…。

 

なべざらし

俺も冬眠から覚めた時は睡眠不足になってるから睡眠を取ります。ってことで起こさないでください…ZZZ

さぼすけ

単なる二度寝じゃねーか。

 

 

冬眠する生き物はどんな生き物?

では、次はどんな生き物が冬眠するのか?
有名な所をご紹介しておきたいと思います。

 

動物系

 

まずご紹介するのはクマです。

 

冬眠と言えばクマ。クマと言えば冬眠と言っても過言ではないでしょう。

 

クマは冬眠の前に大量に餌を食いだめして
脂肪を蓄えてから冬眠に入る過食型のタイプの冬眠をします。

 

また、クマの冬眠は他の小さな哺乳類に比べて
体温が高いのが特徴です。
通常時から4~6度くらいしか下がらないようです。

 

冬眠中は基本的に途中で起きずに、
そのまま春までノンストップ冬眠をしますが、
妊娠しているメスの場合は冬眠中に出産し、
そのまま子供にお乳を与えたりします。

 

その他にも冬眠する哺乳類として

・リス
・ハリネズミ
・ハムスター
・コウモリ

などがいます。

 

次は鳥類で冬眠する生き物ですが、
これは北アメリカに生息する
プアーウィルヨタカが有名です。

 

プアーウィルヨタカは夜行性の猛禽類で、
つまりはフクロウの仲間です。

 

このプアーウィルヨタカも
冬になると獲物が少なくなるため、
冬眠して春を待つんだとか。

 

狭義には冬眠は「哺乳類と鳥類が行う」とありましたが、
実際冬眠をする習慣がある鳥類は現在のところ
このプアーウィルヨタカだけなんだそうです。

 

昆虫系

 

続いて昆虫から冬眠するものを紹介します。

 

昆虫で冬眠をする種類としては、
皆大好きクワガタムシが代表的ではないでしょうか。

 

クワガタムシの中でも冬眠するものとしないものがいますが、
クワガタムシの中でも特に人気の高い
オオクワガタなどは冬眠をする種類のようです。

 

クワガタムシの活動力というのは気温によって左右されます。
暖かい時は活発になり、寒くなると鈍くなるのです。

 

そのため、活動の難しい冬場は
木の隙間などに身を隠して冬眠するようです。

 

大体気温が15度を下回るあたりになると
冬眠の準備をし始めると言われています。

 

人間は冬眠出来ないのか?

最初にご紹介した冬眠についての概要では、
狭義には冬眠は哺乳類や鳥類が行うものと紹介しました。

 

では、人間は冬眠することは出来ないのでしょうか?
哺乳類ですし。

 

実は、人間は普段は冬眠はしませんが、
人間が冬眠のような状態になったという例は存在するようです。

 

例えば、2006年10月7日の日本では、
兵庫県神戸市の六甲山で男性が崖から落ちてしまい、
その時の骨折が原因で身動きが取れなくなってしまいました。

 

そして、同年の10月31日にその男性は救助されたのですが、
なんとその時は仮死状態で発見されたそうです。

 

この男性は発見された時、なんと体温が約22度とかなり低下しており、
ほとんどの臓器が機能停止していたんだそうです。

 

また、10月9日に意識を失ってから発見されるまで23日間、
食べ物はおろか水すら飲まず生き残ったんだとか。

 

しかもこれがまた驚きですが、
この男性はその後後遺症なども残すことなく
しっかり回復したそうです。

 

体温がかなり低下している点や、
臓器の活動が停止している点など、
冬眠との共通点も多いですよね。

 

また、海外でもこうした例が見つかっています。

 

こちらは2012年2月17日のスウェーデンでのお話。

 

スウェーデン北部の林道で、
雪に埋もれた状態の車が発見され、
その中には45歳の男性が乗っていたそうです。

 

この男性はなんと前年の12月19日から約2カ月もの間、
食料無しの状態で生存していたんだとか。

 

男性は体温31度ほどの低体温状態で発見され、
冬眠状態になることによって生きながらえていたのではないか?
と考えられています。

 

なべざらし

これはつまり、人間は食べ物が豊富にあったり寒さを凌ぐ術があるから冬眠しないというだけで、実はその気になれば冬眠できるということなのでは…?

さぼすけ

しかし、多くの人はこうした状況に置かれたらやっぱり衰弱して死んでしまうんじゃないか…。冬眠ってのはやはりけっこう辛いのかもしれないな。

なべざらし

そう考えると冬眠もそんなに羨ましくなくなってきたな…。単純に冬の間は寒くて働きたくないのでお休み期間にしてほしいです。

 

 

冬眠についてのまとめ:冬眠って意外と大変だったんだな…

 

冬眠というのは秋の内にたくさん食べておいて、
寒い冬は穴倉の中でぐっすり眠るという
割と楽ちんな行為というイメージがありましたが、
こうして調べてみると生存をかけた重要な行為ということが分かりました。

 

たしかに内臓の活動まで制限してエネルギーを節約するというのは大変そう…。

 

そう考えると、人間は冬眠しなくてもいいくらい
食料の安定供給がなされており、寒さも暖房や防寒具で凌ぐことが出来るので、
かなり恵まれた環境にいると考えてもいいかもしれません。

 

あるいは、こうした環境を作り上げて来てくれた
遠い祖先達に感謝した方がいいのかも?

 

なべざらし

急募:冬に働かなくて済む方法。

さぼすけ

まだ言うか。