ゲームをやっていると、毒を吐いてきたりする鳥って出てくるよね。
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そうだな。
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でも、現実だと毒を持っている生き物って、昆虫だったり爬虫類だったり、魚だったりってパターンが多くて、鳥で毒を持っているっていうパターンは見ないよね。
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確かに毒を持っているのってフグとか蜘蛛とか、後は蛇とかが一般的で、毒を持ってる鳥って見たことがない気がするな~。
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というわけで、今回は毒を持っている鳥について紹介していこうかなと思います。
皆さんは毒を持っている生き物と言えば、
どんなものが思い浮かぶでしょうか?
多くの人は昆虫や蛇の仲間などをイメージすると思います。
しかし、そんな毒と縁遠い場所にいる生き物が鳥だと思います。
「毒を持っている鳥って何?」と聞かれても、
パッと答えることが出来ると言う人は少ないのではないでしょうか?
むしろ逆に「鳥って毒持ってる種類なんてないんじゃないの?」
と思う方も多いんじゃないかな~と思います。
しかし、調べてみた結果、なんと毒を持っている鳥というのは現実に存在するようです!
今回はそんな毒を持つ鳥である
「ピトフーイ」について、その生態などをご紹介していきます。
ピトフーイってどんな鳥?
では、まずはピトフーイとはどんな鳥なのか?
詳しく調べてみましょう。
ピトフーイはニューギニアなどに生息する固有の6種類の鳥である
・ワリモリモズ
・ズグロモリモズ
・ムナフモリモズ
・サビイロモリモズ
・クロモリモズ
・カンムリモリモズ
の総称のことです。
ちなみに、ピトフーイという名前は鳴き声から来てるんだとか。
黒とオレンジ色など、鮮やかな体毛をしていて、
体長はおよそ20~25cmほどと小さく、
割と可愛らしい見た目が特徴です。
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俺と同じく可愛らしさが売りのタイプか…商売敵だな。
雑食性で主にジャングルの中に住んでおり、
虫など様々な所を食べて暮らしています。
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何でも食うところもなべざらしと一緒か。
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俺は虫は食わないけどな。
ピトフーイの毒の強さとは?
次はいよいよ、ピトフーイが持つ毒について
語っていきたいと思います。
ピトフーイは主に筋肉や羽毛に「ホモバトラコトキシン」
という名前の猛毒を持っているようです。
このホモバトラコトキシンという毒は非常に強力な毒で、
神経に作用し筋肉を麻痺させて急速に収縮させてしまう効果を持ちます。
どのくらい強力かというと、実験で10mgほどの分量を
マウスに注射したところ、およそ18~19分ほどで死に至るほどだとか。
ピトフーイを素手で触るだけでも体が麻痺してしまうほどの強力な毒らしく、
その毒性の強さはなんとフグの毒であるテトロドキシンの4倍とも言われています。
ちなみに、そのテトロドキシンは毒物として有名な
青酸カリの1000倍以上の毒性があるそうです。
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毒の強さがインフレし過ぎてもうよく分からんけど、要はめちゃくちゃヤバイってことね。
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可愛い見た目に騙されてはいけないということだな。
余談ではありますが、モウドクフキヤガエルというカエルの持つ毒は
このピトフーイの持つホモバトラコトキシンと非常に似ていて、
大変危険だそうです。
どれくらい強力な毒なのかと言うと、
モウドクフキヤガエル一匹分の持つ毒で、
大の大人が10は死んでしまうんだそうです。
ピトフーイはこの毒と同等レベルの毒を持っているという事になるので、
本当に危険な鳥ということになります。
ただ、ピトフーイはこの毒を積極的に飛ばしたりして
外敵を攻撃したり、狩りを行ったりはしません。
つまりこの毒はあくまで、蛇や猛禽類などの外敵から
自分の身を護るのに使っているということなんでしょうね。
また、ピトフーイの鮮やかな色は
周囲に対して「自分は毒があるから食べないでね」
というアピールの意味も込められています。
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俺もシャチに襲われないように毒を持ちたいくらいです。
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外敵から身を護るために、俺みたいに全身をトゲで武装した鳥はいないんだろうか?
ピトフーイの毒発見の歴史
ピトフーイは1830年頃には既に発見されていたようですが、
その毒性が発見されたのはなんと160年も後の1990年になってからでした。
ピトフーイの毒性を発見したのはシカゴ大学の
ダムバッチャーという方だそうです。
このダムバッチャー氏は、
ピトフーイに噛まれた傷口を舐めると口の中に痛みと痺れが走り、
羽毛を舌の上に乗せてみるとそれだけで全身に麻痺と灼熱感を感じたそうです。
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毒ありそうな生き物の羽をわざわざ舌の上に乗せるあたり、けっこうネジがぶっ飛んだ人なのかもしれないね。
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知識欲の方が身の安全を守る事より勝ったってことなんだろうな~。
ピトフーイは元々は毒は無い?
ピトフーイは生息している地域によっては
毒性が確認されないことがあったり、
生まれたばかりの雛鳥などは毒性が弱いということもあって、
元々毒があるのではなく、成長する過程で食べた昆虫などから
毒性を得ていくのではないかと言われています。
ちなみに、俺達がよく知っている有毒生物の代名詞であるフグなども、
元々は毒を持っておらず、ヒトデなどの他の生き物を食べることで
その毒を体に蓄積していくのだそうです。
毒を持たないピトフーイもいる
先のピトフーイの紹介で、ピトフーイとはニューギニアに生息する
6種類の固有種の総称というお話をしましたが、
この6種類全員が毒を持っているわけではありません。
6種類のうちの1つである
「ムナフモリモズ」だけは無毒なんだそうです。
逆に、最も強い毒性を持つのは
「ズグロモリモズ」という種類です。
今回ご紹介するピトフーイのお話はこの種類を前提にお話しています。
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6種類のうち唯一毒を持っていないという事は、果たして良い事なのか悪い事なのか…。
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外敵に襲われた時とかどうすんだろうね?
ピトフーイ以外にも毒を持つ鳥はいるのか?
ピトフーイは1990年の
シカゴ大学の研究によって毒性が認められ、
史上初の毒鳥になりました。
そして、それ以後になると、
ピトフーイ以外にも毒を持った鳥が発見されました。
例えば、2000年には同じくニューギニアに生息する
「ズアオチメドリ」にピトフーイと同じ種類の毒性が確認されました。
その後にも、2013年にはこれまたニューギニアに生息する
「チャイロモズツグミ」の標本からも毒性が発見されたそうです。
ちなみにチャイロモズツグミはピトフーイと違って
灰色っぽい地味な色をしていますが、
しっかりピトフーイと同じ種類の毒を持っています。
そのため、他の生物からすれば
「お?良い獲物いるじゃん!」と誤解されやすいでしょうし、
襲われて食べられて相手も道連れに死んでしまうことも多いのではないでしょうか?
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ちゃんと危険物には『危険』って書いておかないといけないように、毒を持っている生き物には派手派手なカラーリングを付けるべきだと思います。
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うっかり間違って食べて死んだら嫌だし、毒を持ってる側からしても襲われないための毒なのに、結局アピール不足で襲われたら意味無いもんな。
中国の伝承にピトフーイが出てくる!?
中国の明の時代に作られた文献である「三才図会」には、
「鴆(ちん)」という名前の鳥が出てきます。
この鴆は羽に毒を持つ鳥と言われており、
鴆の羽を漬けた酒を飲むと死んでしまうと言われていますが、
この鴆は実はピトフーイのことを言っているのではないか?
というお話もあるようです。
この鴆は
・南の方に住んでいる
・羽に毒がある
・毒蛇が主食だから毒を持っている
と言った特徴が伝えられています。
羽に毒があるという点もそうですが、
毒を持っている生き物を食べているから
毒を持っているという点もピトフーイと共通しますよね。
また、ニューギニアは中国からしても南の方に位置するので、
この点もピトフーイと共通していると言えます。
ただし、ピトフーイが小さな体であるのに対し、
鴆は鷲ぐらいの大きさがあると言われているようで、
その点は大きくかけ離れていますね。
「鴆=ピトフーイ」ではないかもしれませんが、
もしかしたら昔は鷲くらいの大きさで
毒を持っている鳥がいたという事なのかもしれません。
ちなみに余談ですが、この鴆は
・畑の上を飛ぶと作物が全て枯れ果てる
・石の下に隠れた蛇を食べるために石に糞を落としたら、石が砕け散った
というお話もあるそうです。
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さすがにこんな化け物みたいな鳥いないでしょ…。
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石が砕け散るってどんなうんこだよ…。それは本当にうんこなのか?
ピトフーイまとめ:毒を持っている鳥なんていないと思ってた!
俺はこのピトフーイについて調べるまで、
てっきり鳥は毒なんて持たない生き物なんだろうな~と思っていました。
しかし、まさか有毒生物の代表格である
フグをも超える毒を持っている鳥がいるというのは意外で、
驚きを隠せませんでした。
ていうか毒を持っている鳥が皆ニューギニア出身とか、
ニューギニアは毒が無ければ生きていけない修羅の国なんでしょうか…。
万が一ニューギニアに行くことが会っても、
ピトフーイにだけは近づかないようにしたいと思います。
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ピトフーイが日本にいなくてよかったです…。今日も安心して寝れそうです。
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お前はいつも安眠してるだろ。