何か国で式典とかがあったりすると、軍隊の人がその式典で銃をパンパン撃ったり大砲をドンドン撃ったりするよね。あれは一体何なんだろうか?
誤解のないように付け加えておくと、あれは弾が入っていない空砲を撃ってるんだけどな。
何故わざわざ式典とかの時に弾も入ってないキャノンをぶっ放すのか…謎は深まるばかりだ…。
じゃあ、今回はそんな空砲についての雑学を調べて皆さんに紹介していくとするか。
皆さんどうもこんにちわ。
なべざらしです。
戦争映画やテレビなどでは、
軍隊の方々が式典で空砲を撃っている場面を見ることがありますよね?
あの空砲にはどんな意味があるのか?どんな種類があるのか?
この間戦争映画を見ていて気になったので調べてみました。
俺たち一般人が関わることはあんまりない式典や空砲の世界ですが、
知っただけで「へーなるほど」と楽しくなるのが雑学というもの。
今回ご紹介する空砲の話も多分役立つことはないかもしれないけど、
楽しんでもらえたらいいな~と思います。
それでは、まずは空砲の色んな種類からご紹介していきます!
死者を弔う空砲:弔砲について
まずご紹介するのは空砲の種類の一つである
「弔砲(ちょうほう)」についてです。
弔砲というのというのはどんな空砲なのかと言うと、
主に公的な葬儀の際に発射される空砲で、
その名の通り死者を弔うためのものです。
大砲を使って行われるものを弔砲と言い、
銃を使って行われるものは「弔銃(ちょうじゅう)」
というんだそうです。
ちなみに、弔砲は偶数回発射するというのが慣例なんだとか。
主に軍の将官などの階級が高い方などの葬儀で行われるものですが、
日本ではそれ以外にも天皇様などの葬儀の際に発射されたり、
大戦中の戦死者たちを弔う意味で発射されたりもしています。
また、日本では各軍ごとに若干ルールも違うようで、
例えば陸上自衛隊や海上自衛隊は相手の階級に関わらず
3回の発射をするというルールのようです。
しかし、航空自衛隊の場合は将補以上の方には3回、
准尉以上の方には2回、それ以外の方には1回の発射なんだとか。
この弔砲は、近年で言うと東日本大震災の際に、
災害派遣中の作業での極度の疲労によって病死してしまった
准尉の方の葬儀の際などに行われたようです。
軍隊式のお葬式のような感じと言っていいのかな?
お祝いの空砲:祝砲について
続いては「祝砲(しゅくほう)」についてご紹介していきます。
祝砲というのはその名の通り、
何かおめでたいことがあった時の式典で
発射される空砲のことです。
基本的に、最大限の祝意を表す数として
最大21発の発砲が基準とされていますが、
21発以上発砲された例もいくつかあります。
例えば、2012年にエリザベス2世が女王として即位して60年目の記念日には、
カナダ軍が60発もの礼砲を持ってお祝いしました。
60周年だからそれに合わせて60発ということですね。
また、翌年の2013年6月3日にはエリザベス2世の戴冠60周年を祝い、
国防義勇軍のロンドン連隊がロンドン塔から62発の祝砲を発射しています。
その他、2012年にスウェーデン王室でエステル王女が誕生した際には、
21発の祝砲が2セット発射されています。
最大限の祝意を表す21発が2セットですから、
限界を超えるくらいおめでたかったってことなんでしょうね。
お祝いごとなんだからどれだけ祝ったっていいのだ。
予算の許す限りぶっ放しまくろう。
けっこう多い!?実弾での祝砲による事故
基本的に祝砲というのは空砲によって行われるものですが、
中央アジアや西アジアの地域ではお祝いの時に
ライフルの実弾を空に向かって発射するという形で
祝砲を行っている場合もあります。
しかし、この実弾での祝砲…実はけっこう危険で
痛ましい事故が起こることも度々あるようです。
例えば、サウジアラビアでは発射した祝砲が電線を切断してしまい、
その高圧電流によってなんと近くにいた23人もの人々が感電死してしまったんだとか。
また、インドでは結婚式のお祝いで発射した空砲が
なんと花婿を直撃してしまい死亡してしまったという事件もあります。
晴れ舞台の結婚式で射殺されてしまうなんて洒落にもなりませんよね。
そもそも、空に向かって発射された弾丸というのは
その後地球の重力によって落下してきます。
その落下速度はなんと時速300kmにも及ぶそうです。
そんなものが人間やものに直撃したら事故が起きてしまうのは当然。
お祝いのつもりで発射した祝砲が
とんでもないトラブルの引き金になってしまうのも納得です。
お祝いの形というのは何も祝砲だけに限りませんので、
危険性があるパフォーマンスの実弾祝砲は
さすがにやめておいたほうがいいのではないかと思います。
実弾はやっぱ危ないよね~。お祝いごとで悲しい事故が起こっちゃ台無しになってしまう。
実弾の祝砲よりだったらクラッカーとかの方がマシかもな。
相手に礼を尽くす空砲:礼砲について
次は「礼砲(れいほう)」についてのご紹介です。
礼砲とは主に国際儀礼で行われる、
敬意を表するために発砲される空砲のことです。
この礼砲の発射数は敬意を表する相手によって変わり
・国旗や国家元首、皇族など…21発
・副大統領や首相、国賓など…19発
・閣僚や特命全権大使、大将…17発
・特命全権公使や中将など…15発
・臨時代理大使や少将など…13発
・臨時代理公使や総領事、准将など…11発
・領事など…7発
という風になっているんだそうです。
偉い人ほどたくさん撃つというのは他と変わりませんね。
空砲の歴史:何故撃つようになったのか?
様々な式典などで発射される空砲ですが、
そもそもこの空砲というのは一体何故
撃たれるようになったのでしょうか?
正確にいつから始まったのかは定かではありませんが、
この空砲を最初に行ったのはイギリス海軍だと言われています。
例えば他の国の港に寄る時などに空砲は発射されていたんだとか。
何故そうしたかというと、
昔の大砲というのは一回撃つと次に発射するまでに
砲身を掃除したり弾を込めたりと時間がかかり、
現代のように連射出来るようなものではなかったんだそうです。
つまり、空砲を撃って見せるということは
「大砲を撃つ用意はなく、私はあなたに対して敵意はありません」
というのをアピールするための行為だったんだとか。
この文化が後に様々な意味合いに発展していき、
弔砲や祝砲、礼砲などが出来たということですね。
ちなみに俺も初対面の相手などには、武器であり盾でもある鍋を被らずに身を晒して敵意の無さをアピールします。
…というのは嘘で、初対面の人とか怖いので鍋を被って自分の身を最大限守ります。
礼砲や祝砲が最大21発なのは何故か?
礼砲や祝砲は基準として最大21発と言う場合が多いですが、
これは一体何故なのか気になりますよね。
何故こうした数になったのかと言うと、
1675年のイギリスでの取り決めが元なんだそうです。
当時のイギリスは財政難の状態で、
やはり色々と節約をしなくてはいけない状態でした。
そこで、当時の海軍本部書記官長である
サミュエル・ピープスさんは経費削減のために、
礼砲は最大21発までというルールを決めたそうです。
この時のルールが広まって、礼砲や祝砲は21発が基準になったんだとか。
あくまで基準というだけであって、その気になれば何発撃ってもいいのかもしれないね。
空砲専用の大砲もある
弔砲や礼砲、祝砲というのは、
通常は現役の大砲などを使うんだそうですが、
中には古式に則って昔の大砲を使う場合もあるそうです。
また、そもそも通常の弾を発射出来ない
空砲専用の大砲というのもあるんだとか。
例えば、銃器を販売しているメーカーとして有名な
ドイツの「H&K社(ヘッケラー&コッホ社)」では
陸上用の空砲専用の大砲を製造販売しているそうです。
ただ、昔の敵意がないという意味をアピールしているってのを重んじるなら、やっぱり現行の大砲の方がいいのかもしれないね。
空砲についてのまとめ:祝砲もちゃんと空砲で撃てや!
戦争映画などでよく見られる空砲ですが、
元々は敵意の無さをアピールするためのものだったというのは
中々面白いな~と思いました。
ただ、空砲に関して調べていて一番衝撃的だったのは、
やはり祝砲による事故についてですね。
お祝いごとで撃った祝砲で人が死ぬというのは
何やってんだ!って感じですよね。
空に撃ったからと言っても実弾が危ないのは変わらんのです。
皆さんもお祝いごとだからといって
実弾を空にぶっ放すのはやめましょう!
(まあそんな機会はないと思いますが。)
それでは、今回はこれにてお終い!お疲れ様でした~。