桃太郎の話って知ってる?
そりゃあ知ってるよ。桃から生まれた桃太郎が犬と雉と猿を連れて鬼を倒しに行く話だべ?
そう、それいっつも思うんだけど、何で桃太郎のお供にはアザラシがいないんだろうね?アザラシがいれば陸海空が揃ってバランス良いし、アザラシの知名度ももっと上がったと思うんだよね。
鬼ヶ島は陸上なんだからアザラシなんて戦力外にも程があるだろ。
ということで、今回は桃太郎についての雑学を紹介していきます!
日本人なら誰でも一度は桃太郎の話を耳にしたことがあると思います。
特に子供の頃、お父さんやお母さんに絵本で読み聞かせてもらった…
という経験がある人も少なくないことでしょう。
そんな日本のおとぎ話を代表する桃太郎ですが、
実はちょっと掘り下げてみると
「あれ?俺が知ってる桃太郎とちょっと違うぞ?」
という事実が浮かび上がってきたりします。
今回は
・桃太郎の話には続きがある!?
・桃太郎は実は桃から生まれていない!?
・桃太郎には実在のモデルがいる!?
などなど、桃太郎についての雑学についてご紹介していきたいと思います。
桃太郎の概要
知らない人はあんまりいないと思いますが、
まずは最初に桃太郎のお話をおさらいしておきましょう。
桃太郎と言うのは簡単に概要を説明すると
・お爺さんとお婆さんが暮らしている
・川からデカイ桃が流れてくる
・お婆さんがその桃をゲットして家に帰る
・お爺さんが桃をかち割る
・中からなんと赤ちゃんが出てきて、桃太郎と名付けられる
・桃太郎は大きくなると、鬼が悪さをするのをこらしめにいく
・その道中で犬と雉と猿の餌付けに成功
・鬼ヶ島に到着し、鬼をこらしめる
・ついでに鬼ヶ島にあった宝も持って帰る
・ハッピーエンド!
というお話です。
お爺さんが桃を割るところってけっこう重要な分岐点だったよね。お爺さんの振るった刃が桃太郎に直撃してたら単なる悲劇で終わってたし。
やっぱ物語の主人公ってのはリアルラックも高いんだろうな。だから主人公やってるわけで。
あと、何気に桃が川から流れて来た段階も幸運だったよね。人が入るくらいの大きさの桃なんてとてもお婆ちゃんが持ち運べる重量じゃない可能性もある。
昔の人は農作業も多かったろうし、きっと現代人よりもパワーがあったんだろ。
桃太郎は実は桃から生まれたわけじゃない!?
桃から生まれた桃太郎!のフレーズでおなじみの桃太郎ですが、
元々のお話では実は桃から生まれたという出生ではなかったそうです。
俺が知ってる桃太郎は一体なんだったんだ…!?
江戸時代に書かれた桃太郎物語を見ると、本来は
「桃を食べて若返ったお爺さんとお婆さんが子作りして生まれたのが桃太郎」
というお話だったそうです。
たしかに川からデカイ桃が流れて来て、その中に赤ちゃんが入ってるってよく考えると話がメチャクチャ過ぎるよな…。
昔は桃という食べ物は、不老長寿の食べ物として見られていたそうです。
そのため、お爺さんお婆さんが若返るのに一役買ったんだとか。
ちなみに、桃太郎が川から流れてきたデカイ桃から生まれたという話になったのは、
明治20年に桃太郎を国語の教科書に載せようとしたことがきっかけだったそうです。
子供に読ませる教科書に性的な描写があるのはさすがにヤバイんじゃないか?
ということで、デカイ桃をパカッと割ったら生まれたという流れにしたんだとか。
この配慮はちゃんと現代まで受け継がれ、
桃から生まれた桃太郎として定着していきました。
桃太郎の話にはその後の続きがある?
鬼を退治して宝を持ち帰り、ハッピーエンドで終わった桃太郎。
しかし、実はこの桃太郎のお話には続きがあったそうです。
その続きのお話というのは一定ではなく、種類があります。
一つは「桃太郎元服姿」というお話。
これは、安永8年(1779年)に書かれた文献です。
このお話はどんなものなのかと言うと、桃太郎に宝を持ってかれた鬼が、
その宝を奪い返すために娘を桃太郎の家に召使として送り込むというお話です。
しかしこのお話はけっこう悲しいお話で、鬼の娘は桃太郎に惚れてしまい、
恋と父から課せられたミッションの板挟みに苦しみます。
そして、最後は自らの手で命を絶ってしまうんだとか…。
桃太郎とくっついた後に『実家が苦しくて…』ってことでお宝を実家に送れば円満に解決したんじゃないだろうか…。
また、もう一つ続編をご紹介します。
こちらのタイトルは「鬼桃太郎」というものです。
こちらはなんと、桃太郎に退治された鬼達が日本に逆襲する!
というストーリーになっています。
この物語の主人公は苦桃から生まれた苦桃太郎!
桃太郎のダークサイドバージョンと言ったところでしょう。
この苦桃太郎は
・毒龍
・狒々(ひひ:大型の猿の妖怪)
・狼
の三匹を連れて日本に逆襲するためにやってきます。
何だか本家の桃太郎に比べてめちゃくちゃお供が強そうなんですが…。
これは日本ヤバイのではないか…。
しかし、苦桃太郎は毒龍の背に乗って旅をするのですが、
この毒龍が海の上であっちへ行ったりこっちへ行ったりするもんだから、
途中で狒々と狼は目が回って海に落ちてしまいます。
二匹の部下を失って
戦力が著しくダウンした苦桃太郎は怒り、
毒龍に悪態をつきます。
すると毒龍は逆ギレし、苦桃太郎と喧嘩になります。
やっとのことで毒龍を倒した苦桃太郎ですが、場所は海の上。
そのまま毒龍ごと海に落ちてバッドエンドを迎える…というお話です。
ていうかドラゴンだけでもとんでもない強さだったんだろうし、我慢してれば日本に逆襲出来たんじゃないか…。
まあ日本が逆襲されたらそれはそれでバッドエンドだし良いんじゃない?悪は滅んだ!
この他にも、江戸時代などには桃太郎の続編となるお話が
盛んに作られていたんだそうな。
桃太郎には原作になったモデルがいる?
桃太郎は実は完全な創作ではなく、
実在するモデルがいたのではないか?と言われています。
ではそのモデルは誰なのか?というと、
紀元前3世紀頃に活躍した孝霊天皇(こうれいてんのう)の息子、
吉備津彦命(きびつひこのみこと)ではないかと言われています。
おお~!!桃太郎が実在の人物を元に作られたとかオラワックワクしてきたぞ!!
桃太郎の物語の元となった実話とは?
桃太郎が悪い鬼を退治しに行く…というストーリーも、
吉備津彦命の行ったエピソードが元ではないかと言われています。
この吉備津彦命はその名の通り、
当時の吉備国という場所を統治していた偉い人だったそうです。
ちなみに吉備国というのは現代の
・岡山県全域
・広島県東部
・香川県の島部
・兵庫県西部
にあたる場所になります。
しかし、この吉備国は当時、朝鮮半島の百済(くだら)から来た
温羅(おんら)という者によって荒らされていました。
この温羅が根城としていた場所を、
当時の方々は恐怖の意味を込めて「鬼の城(きのじょう)」
と呼んでいたそうです。
もうお察しの方もいると思いますが、
この鬼の城が鬼ヶ島の原型ではないかと言われています。
吉備津彦命はこの温羅を討ち倒し、吉備国に平和を取り戻しました。
このエピソードを元に桃太郎は作られたのではないかと言う説があります。
確かに桃太郎の話の流れにそっくりだな~。
ただ、また別の説もあります。
それは、吉備津彦命が
温羅の持つ優れた製鉄の技術を奪うために襲撃して、
後に美談に作り変えた…というもの。
もしこっちが本当だとしたら、
ちょっとショックですよね。
もしかしたら、桃太郎が鬼ヶ島から持ち帰った宝というのは、
吉備津彦命が温羅から奪った製鉄技術のことなのかもしれませんね。
なんか桃太郎=ヒーローっていうイメージが崩れちゃいそうなので、気持ちとしては前者の方を信じるようにしたいです!
桃太郎の部下は何故犬と雉と猿なのか?
次は、何故桃太郎の部下は犬と雉と猿なのか?というお話です。
桃太郎は鬼と言う強大な力を持つ存在と戦いに行くわけですが、
「そんな化け物と戦うのに部下が犬・雉・猿とか舐め過ぎじゃないか?」
と疑問に思ったことがあると言う方は俺だけではないと思います。
武装した人間か、せめて動物から選ぶにしても
・虎
・馬
・熊
のようなもっと強いやつを選抜しろよ!
と思いますよね!?
アザラシの可愛らしさで鬼の戦意を削ぎ落すのはどうですか!?平和的解決から不意打ちまで色んな用途で使えますよ!?!?
全身凶器のボディを持つサボテンはお供にどうですか!?投げつけるだけでもけっこうな威力出ると思うよ!?!?
実は、犬・雉・猿が選抜されたのには、
モデルとなった吉備津彦命のお供が
由来になっているという説があります。
吉備津彦命は温羅を討つ際に
・犬飼部 犬飼健(いぬかいべのいぬかいたける)
・猿飼部 楽々森彦(さるかいべの ささきもりひこ)
・鳥飼部 留玉臣(とりかいべのとめたまおみ)
の三人をお供に連れて行ったというお話があります。
全員舌を噛みそうな長い名前ですが、
それぞれ犬要素・鳥要素・猿要素をもっていますよね。
このことから桃太郎のお供は犬と雉と猿になったんだとか。
擬人化ならぬ擬獣化ですな。
元々のモデルを考えれば、お供はちゃんと武装した人間だったわけね。
また、もう一つ説があって、
それは干支や鬼門・裏鬼門というのに
関係しているというものです。
鬼門というのは陰陽道で言う所の良くない方角を指す言葉で、北東のことを指します。
また、この北東のことを「丑寅(うしとら)の方角」と言います。
鬼門、そして鬼は牛のような角があり、
虎柄のパンツを履いています。
つまり、「鬼=鬼門=丑寅の方角」と考えることが出来ます。
そして、じゃあそんな鬼に対抗している桃太郎は反対の方角、
つまり裏鬼門に例えることが出来ます。
この裏鬼門と言うのは南西、「未申(ひつじさる)の方角」と言います。
未を桃太郎に例えるなら、その次に来るのが申(猿)になり、
その申の次に来るのは酉(鳥)、戌(犬)です。
つまり、鬼に敵対する桃太郎。
そしてその後に続く猿と雉と犬という関係が出来ます。
そのため、桃太郎のお供は犬と雉と猿になった…という説もあります。
ちょっと難しい話ではあるけど、悪いやつとその反対にいるやつ、そしてその後に続くやつって言われるとちょっと納得。
現在の桃太郎
最近の桃太郎の話は、俺達が知ってるような
「悪い鬼を退治してめでたしめでたし!」
という勧善懲悪な話ではない場合があるそうです。
言ってしまえば桃太郎は鬼達を武力によって制圧、
つまり暴力によって問題を解決したわけですが、
最近は子供の教育に配慮してか、ちょっと解決方法が変わっている場合も。
例えばある話では、桃太郎はお婆さんが
鬼にいじめられて困っているのを見かねて、
鬼ヶ島に「話合い」しにいくという展開もあります。
暴力と言うのは現代社会では(ていうか昔もそうですが)
あまり褒められたものではありません。
暴力による解決は本当の本当に最終手段です。
なので、子供の教育のためには
こうした平和的解決のお話にした方がいいのかもしれませんね。
暴力反対!ということで、サボすけもその暴力的なボディを改めるように!
俺からこのトゲを取ったら何が残ると言うんだ…。つーか俺だって別に好きでトゲ生えてるわけじゃねーんだよ!
桃太郎まとめ:俺が知ってるのは桃太郎のごく一部だけだったのか…
馴染み深いつもりでいた桃太郎のお話でしたが、
調べれば調べるほど意外な新事実が発覚し、驚きの連続でした。
特に、桃太郎のモデルとなった吉備津彦命のお話は興味深く、
「桃太郎は実はを元にした話だったのか!?」
とワクワクさせられたのと同時に
「桃太郎は実は技術を奪うための戦いが元だったのか…!?」
とショックを受けそうにもなりました。
また、吉備津彦命のお供をした三人の名前が
犬・雉・猿の由来かも?というのも非常に面白かったです。
間を取って、
・悪いことをしていた温羅を吉備津彦命が打ち倒した
・そしてそのついでに製鉄の技術を手に入れた
というのが元ネタならいいんじゃないでしょうか?。
これなら悪いやつをやっつけること、お宝を手に入れること、
どちらも桃太郎のお話と共通するので、キレイにまとまると思います。
桃太郎はこれからも、時代と共に少しずつ形を変えながら
子供達に語り継がれていくのかな~。
そんじゃ、今日は久しぶりに桃太郎読みながら寝ます。
俺は桃太郎のオリジナル続編を妄想しながら寝ます。