暇すぎて枯れ果てそうだから暇つぶしに将棋でもしようぜ。

ふふん、この俺に知略での勝負を挑むとは愚かな。受けて立とう!

ただやるのじゃつまらないから、負けた方が今日の晩飯おごるってのはどうだ?

馬鹿め!食べ物がかかった時の俺の戦闘力は大猿よろしく10倍にも膨れ上がるのだああああ!!!かかってこんかい!
~30分くらい後~

俺のターンのバトルフェイズ!!うおおおおこの桂馬で詰みだあああああ!!! ペチン

ぐああああああこれ何のゲームだああああ!?!?!?馬鹿な…この俺が頭脳戦で負けるとは…。ていうか、桂馬ってずるくない?何で駒飛び越してくるんだよ…。動きも何か変だし。ん?よく見ると桂馬に書いてる『馬』の字って鏡文字みたいに逆になってない?

言われてみればたしかに逆になってるな。

一体何故将棋の馬は逆の文字になっているんだ…。これは気になって飯も喉も通らない。ということで、今回は将棋の桂馬についての雑学を調べてみよう!

飯おごれよ。
皆さんは将棋ってやったことありますか?
俺は子供の頃父さんや爺ちゃんとよくやった記憶があります。
(別に強くは無いけど)
将棋には実に様々な駒がありますが、
その中でも特に気になるのが冒頭でもお話した桂馬です。
桂馬の「馬」の字は鏡文字のように
左右反対に書かれている場合が良く見受けられますが、
これは一体何故なのでしょうか?
別に知らなきゃ生きていけないというわけではありませんが、
けっこう気になりますよね。
というわけで、今回はこの桂馬の馬の字が逆になっている理由など、
将棋に関しての雑学をご紹介していきたいと思います。
馬の鏡文字は「左馬」と言うらしい
まず気になるのが、この馬の鏡文字状態って一体何て読むのか?
ということですが、じつはこれは「左馬(ひだりうま)」と読むそうです。

割とそのまんまの読み方になるのね。
左馬の由来は何?
何故この左馬という言葉が生まれたのかというと、
一種のゲン担ぎがその由来ではないかという説があります。
日本では昔から馬と言うのは人間に馴染みの深い生き物で、
縁起がよい動物とされてきました。

ちなみにどうでもいいけど、俺の爺ちゃんの時代とかは馬はまだ仕事で使われていて、パードナーって感じだったらしい。だから爺ちゃんは馬刺しとかは食べれなかったな~。父ちゃんは馬刺し大好きです。
しかしこの馬というのは、右側から乗ると転ぶという習性があったそうで、
必ず左側から乗るようにしていたそうです。
つまり左馬というのは「倒れない馬」ということで、
トラブルなどを回避することが出来ると言うゲン担ぎが込められています。

ただし、『将を射んとするならまず馬を射よ』という諺がある通り、馬は戦場では積極的に攻撃の対象になることもあります。
左馬に込められたその他の意味
左馬には倒れないという意味以外にも、
たくさんの縁起の良い意味が込められているようです。
例えば、左馬の文字の下の部分は巾着の形に似ているということで、
金運のアップなどのご利益があると言われていたそうです。

でもこれって別に左馬じゃなくても普通の馬でもいいんじゃねーかな…。

倒れないって意味もプラスしてさらに縁起がいいってことでいいんじゃない?
また、馬と言う生き物は普通は人が引いているものですが、
左馬の場合は逆に馬が人を引いてくるという風に考えられています。
そこから「人を引いてくる=お客さんがたくさん来る→商売繁盛」
という風な意味が生じて、ビジネスでのご利益もあるんだとか。

でも馬に引かれてやってきた人は地面を転げまわって重症を負っている可能性もあると思うんですがそこは大丈夫なんだろうか…。
その他にも、「うま」という読み方が逆になって「まう」になり、
お祝い事などで行われる「舞い」をを意味することになるので縁起がいいとか。
将棋以外でも使われている左馬
また、この縁起のいい左馬は将棋以外の世界でも活用されることがあります。
例えば陶芸の世界では、新設の窯に火を入れるときは、
作品が途中で倒ることなく無事に完成するようにという意味を込めて、
左を向いている馬を描いた作品を焼くという文化があるんだとか。
馬に関する他の縁起物
左馬はトラブルの回避や金運アップ、
千客万来などなど様々なご利益がありますが、
馬に関する縁起物は他にもあります。
それは「馬蹄(ばてい)」です。
馬蹄というのは馬の蹄を補助するための道具で、
U字型の鉄製の物は蹄鉄(ていてつ)とも呼ばれます。
この馬蹄は魔除けとしての効果があるとされていたそうです。
何故馬蹄が魔除けとしての効果があるのかと言うと、
馬蹄を作る過程の鍛冶技術が発端のようです。
鍛冶職人の方たちは熱されて真っ赤になった鉄を叩き、
不純物を取り除きながら様々な物を作ります。
この鍛冶の技術は非常に高度なもので、
昔は一部の限られた達人のみが出来るものでした。
そのため、こうした鍛冶の技術には
神秘的な力が働いているものと考えられ、
尊敬されていたのです。
馬蹄もそんな鍛冶の技術によって生まれたものなので、
「神様の力=魔除け」という風に考えられるようになったんだとか。
また、その他にも、10世紀イギリスの大司教である聖ダンスタンと言う方が、
「馬蹄を掲げている家には近づかないようにする」
という取引を悪魔としたから…なんて説もあります。
ちなみに、この聖ダンスタンも鍛冶技術に関する聖人なんだそうです。

現代では鉄で出来ているものはそこら中にあるから、悪魔にとっては辛い時代かもしれないな。
桂馬は何故後ろの方にあるのか?
これも将棋の馬に関する雑学ですが、
将棋と言うのは
・一番前の列→歩がズラッとならぶ
・二列目→角と飛車
・三列目→王将(玉将)や金や銀、馬や香車
という並び方になっていますよね?
これにはちょっと面白い由来があるようです。
実はこの並び方というのは「後ろの列程貴重な物」
という扱いで、前の列の駒はそれらを守るためにいるんだとか。
一番後ろにいる駒達は
・王将(玉将)→玉はお宝のこと。王様ももちろん大事な人物
・金と銀→どちらも高価な宝石
・桂馬→肉桂(シナモン)のことを指し、スパイスの一種
・香車→「香」は香料のことを意味する
という意味があり、それぞれ貴重品や重要人物のことを指します。
そして、次の二列目にいる角と飛車は強力な武器のことで、
三列目の貴重品を守るための重要な役目です。
そして、一番前の歩。つまり歩兵達は
それらの重要な貴重品を守るために前線に立っているんだとか。
将棋の駒の並び方はてっきりゲーム上の都合などが理由なんだと思っていましたが、
実はこうした意味があったというのは非常に興味深いですね。

俺も愛らしさで皆に癒しを振りまく貴重な存在だから、戦になったら最後列からスタートすることになるんだろうな。

お前は鍋という盾を持ってるから間違いなく歩兵だぞ。さっさと敵陣に突っ込んで玉砕してこい。
左馬のまとめ:馬に対する人間の感謝が感じられるような気がしました
前から気になっていた将棋の左馬ですが、
調べてみると色んな意味があるんだな~と思って
感心してしまいました。
それと同時に、人間はいつもお世話になっている馬に対して
こうした良い意味を持たせることで
感謝の心を表していたのかもしれない…とも思いました。
今では馬が交通の手段になったり
農業で一緒に働くパートナーになったりすることは
あんまりありません。
ですが、今まで人類を支えてくれたという感謝の念は
いつまでも残っていけばいいな~と思います。

左馬に関する疑問も晴れてスッキリしたので、今日はもう寝ます。

晩飯おごるのはどうなったんだよ。