旅番組とかでお寺とかが出てくると、『わびさびがあっていい』とか言うよね。
たしかによく聞くな。
でも、わびさびって何やねん?って思ったことない?
言われてみると、わびさびってどういう意味なのかイマイチよく分からんな~。
ということで、今回はわびさびの謎について迫っていきたいと思います。
どうも、なべざらしです。
冒頭でも話しましたが、テレビとかを見てるとよく
「わびさびの心が云々」みたいなフレーズを耳にすることがありますよね。
しかし、いざ「わびさびって何?」と聞かれると、
どういう意味なのか正確に答えられない…という人は多いと思います。
(俺も答えられません。)
しかし、日本に生まれたのにわびさびの説明も出来ないというのはいかがなものか!
ということでわびさびについて今回は調べてみました。
わびさびの意味を知っていれば、
もしかしたら外国の人と話す時なんかにドヤ顔出来るかも…。
ということで、今回はわびさびについてのお話です。
わびさびの意味とは?
最初はわびさびという言葉の意味についてご紹介していきたいと思います。
そもそもわびさびというのは
・侘ぶ(わぶ)
・寂ぶ(さぶ)
という二つの言葉の組み合わせによって出来た概念だそうです。
ということで、まずはこの二つの言葉がどういう意味なのかを見ていきましょう。
まずは「侘ぶ」についてです。
この侘ぶという言葉には
・気落ちすること
・悲観的になること
・悩むこと
・嘆くこと
・困る事
・辛く切ない様子
・貧しくなること
などなどの意味があるそうです。
なんだかいきなりネガティブな言葉のオンパレードなんだが…。これが元になっているわびさびって良い意味の言葉になるんだろうか…?
次に「寂ぶ」についてです。
この寂ぶという言葉には
・荒れた気持ちになる
・弱くなる
・色あせる
・錆る
などの意味があります。
こっちも何だかあんまり良い意味じゃないな…。大丈夫なんだろうか?
ここまでを見ると、どちらも何だかあんまりよろしくない状態のように思いますが、
肝心の二つ合わさったわびさび(侘び寂び)はどういう意味なのかというと
・「不足している状態の中にも心の充足を見出そうとする意識」
・「閑寂さ(静かさ)の中に奥深いものや豊かなものが自然と感じられる美しさ」
という意味なんだそうです。
元々はあんまりいい意味の言葉じゃなかったのに、こういう風に昇華されたのか。
このわびさびというのは分かりやすく言うなら
・不自由であったり不足しているような状況、
・静かで寂しい状態
などの中にも積極的に美しさや豊かさを見出そうと言う
日本人のポジティブな精神が言語になったもの…という事が出来ると思います。
そう考えると、ゲームとかで強いアイテムやキャラをあえて制限してプレイする縛りプレイも、ある意味わびさびがあるって言ってもいいのかな?
さすがにちょっと違うような気がするけどな。
わびさびの使い方
では、このわびさびという言葉は
俺達の日常生活ではどんな風に使えばいいのでしょうか?
…多分日常的に使う事はあんまりない言葉だと思いますが、
旅行に行って歴史的な建物を見たり、展示物を見た時などに的確に
「わびさびがありますな~。」
と言えるとちょっとかっこいいような気もしますよね。
わびさびを使うタイミングは、前述の意味を振り返って考えるなら
・華やかではなく質素なもの
・経年による劣化があるもの
などを褒める時に使うのがいいでしょう。
例えば、お寺として有名な金閣寺と銀閣寺。
金閣寺は金箔をふんだんに使われた煌びやかな見た目をしているのに対し、
銀閣寺は銀箔が貼られているというわけでなく、
金閣寺に比べると質素な見た目をしています。
こういう時こそ
「華やかな金閣寺に対して、銀閣寺はわびさびがありますなぁ。」
と言って褒めるとそれっぽいと思いませんか?
その他にも、長い歴史の中で
若干色あせてしまっている絵画や茶器などを見た時なども、
「わびさびを感じる…」とか言ってみると通っぽいかもしれません。
今後はどっかに旅行行った時は積極的にわびさびを使って行こうと思います。
恥ずかしいからやめれ。
わびさびが始まったきっかけは?
不足しているものや静かな様子に対して
美しさを見ると言うわびさびの概念ですが、
この概念は一体いつから始まったのでしょうか?
まずは「侘ぶ」についてですが、これを美しい意味に昇華したのは
「茶の湯の祖」と呼ばれる千利休だったと言われています。
室町時代の中頃には茶を立ててお客様に提供すると言う
茶の湯の風習が出来ていたそうです。
おの茶の湯の風習は次第に、豪華な茶器を使って行う「大名茶会」と、
質素な部屋と道具で行うものとに分かれていたそうです。
千利休はこの質素な茶会を広めた方で、
その過程で不足や不自由などを楽しむ
「侘び」の概念が生れて行ったとされています。
次に「寂ぶ」についてですが、
こちらの言葉を昇華したのは松尾芭蕉だったと言われています。
松尾芭蕉と言えば俳句に関する偉人ですが、松尾芭蕉は
「俳句のテーマや表現方法ではなく、そのテーマを見る作者の心情」
として「寂び」の概念を考えたんだとか。
つまり、俳句の内容が派手で賑やかなものだったとしても、
その俳句を作った作者が淡々とした静かな気持ちでその句を書き、
その心情が読み取れるなら「寂びのある俳句だな」ということだそうです。
(中々難しいですね…。)
こうしたそれぞれの偉人の考えが後の世に伝わり、
わびさびという概念は今日の日本に受け継がれているというわけですな。
わびさびの類義語はあるのか?
このわびさびに近い意味を持っている言葉としては、
例えば「枯淡の趣(こたんのおも
むき)」などが
それに当たるかもしれません。
枯淡の趣とは、あっさりしていてしつこくなく、
世俗的な名声や権力などにとらわれない様子を表す言葉です。
不足や静けさに美しさを見出すわびさびとは、
どことなく同じ感じがする言葉ですよね。
その他、わびさびに通じる意味を持つ言葉には
・静寂閑雅(せいじゃくかんが)
・幽趣佳境(ゆうしゅかきょう)
などがあります。
静寂閑雅は静かでひっそりしていて、みやびやかな風情がある様子。
幽趣佳境は慎み深く上品な様子を表す言葉です。
日本語って同じような意味の言葉がたくさんあるのも結構面白いよね。
わびさびまとめ:日本人ポジティブ過ぎ
侘びや寂びという言葉は元々は良くない状態を指す言葉だったのに、
それを美しさや趣に昇華してしまった日本人の発想力には頭が下がるばかりです。
どんな状況でも楽しさや面白さ、
美しさなどの良さを見出すと言う姿勢は、
人生を豊かにする上で大事なのかもしれません。
わびさびの精神を見習って、
どんな状況でも楽しむ度量を身につけたいと思います。
俺のプリンを半分だけ食ったのは貴様か?
わびさびって感じで趣があるでしょ?