あ~どっか遠出したいな~。

たしかにたまにはどっかに旅行とか行きたいな。

鈍行の電車とかに乗ってさ~『ここどこだよ?』って感じの知らない土地をのんびり旅してみたいな~。

…そういえば、電車で思い出したけど、線路って砂利が撒かれてるよね?あれは一体何なんだろうか…。

今まで気に留めたことも無かったんだけど、考えてみたら急に気になって来たな…。

やっぱ旅なんてやめて、部屋で線路の砂利について調べてよっと。
線路に敷き詰められている砂利について、
気になって調べてみた!という経験があるという方は、
中々いないのではないかと思います。
(俺も今日の今日まで気に留めたことすらありませんでした。)
しかし、よくよくこの砂利を調べてみると、
実は電車という交通機関において
非常に重要な役割を担っていたわけですよ!
「こんなに頑張っているのに、砂利達の役割を知っている人は少ない…」
なんだかそう思うと可哀想な気持ちになったので、
今回はこの場を借りて、あの砂利達がどれだけ活躍してるかを
ご紹介していきたいと思います。
線路に砂利が敷き詰められている理由
では、線路に敷き詰められているあの謎の砂利…、
奴らは何故存在するのか?その謎に迫っていきたいと思います。
実はあの砂利はただの砂利ではなく、ちゃんとした名前があるそうです。
その名も「バラスト(ballast)」。
そして、このバラストが撒かれているのには、
実はけっこう実用的な意味が複数あるんだとか。
一つ一つご紹介していきます。
衝撃や重さに対するクッション役:
線路にはレールがあり、その下に枕木がありますが、
線路の砂利はこの二つが電車の重みや走行による衝撃で壊れてしまわないように
衝撃を分散するクッションの役目を果たしているんだそうです。
もしレールがある日突然壊れてしまったりしたら、
もしかしたら大事故に発展して多数の犠牲者が出てしまうかもしれません。
電車というのは便利なものではありますが、
同時に少しの事故で命を奪ってしまう可能性もあります。
その危険性を少しでも軽減するために線路の砂利は存在するのです。

俺達が平和に電車を利用することが出来るのも、このバラストがいるお陰なんだな~。

ただ意味無く敷き詰められてるわけではなかったんだな。ていうか、人の命を運んでる電車に無意味な物なんてないのかもしれないな。
電車による騒音の削減:
線路の砂利の役目はクッション役だけに留まりません。
なんと、電車が走行するさいの騒音を和らげる効果もあります。
砂利には細かな隙間が無数に存在します。
この隙間が音を吸収してくれるため、防音の効果があるんだそうです。
なべざらし「電車が通るとけっこうでかい音するけど、あれはバラストに軽減された上での音量だったのか…。」
サボすけ「もし砂利が撒かれてなかったら、もっと大きい音になってたのかもしれないと思うとちょっと怖い話だな~。線路の近くに住んでる人とか騒音で落ち着けないだろうし。」
線路周辺への振動の軽減:
線路の砂利はクッションの役割を持っていると書きましたが、
それは何もレールや枕木に対してだけの話ではありません。
砂利の細かい隙間は、電車が通った際の
線路周辺の建物への衝撃を緩和する効果もあります。
電車が通る度に建物が大きく揺れていては、
線路周辺の建物にいる方々も気が気ではありませんし、
建物にも負担がかかるでしょう。
線路の砂利はそうした問題を和らげる上でも役に立っています。

たしかに電車が通るたびに大地震みたいに建物が揺れたら嫌だしね。
その他の効果:
線路の砂利にはこれまでに挙げた役割以外にも
・雨の排水を容易にする
・雑草が線路に生えにくくする
などの効果があります。
今まで気にするようなこともほぼなかった線路の砂利ですが、
実はこんなに色んな役割があったなんて本当に驚きですね~。
線路の砂利に使われているのはどんな石?
レールや枕木のクッションなってくれたり、
音や衝撃を防いだりと実に多彩な役割の砂利ですが、
一体どんな種類の石が使われているのでしょうか?
実は、どんな石でも良いと言うわけではありません。
線路の砂利には十分な硬さがあるというのが条件です。
そのため
・安山岩(あんざんがん)
・砂岩(さがん)
・花崗岩(かこうがん)
などがよく使われているそうです。
ちなみに、これらの石は安価に入手出来ると言うのも特徴です。

安くて実用性があるとはこやつらただものではないな…。
線路の砂利は川ではなく山から持ってきている
この花崗岩や安山岩、砂岩などの砂利は一体どこから来るのかと言うと、
主に山で採掘された岩を機械で細かく砕いた物を使っています。
昔は川から掘り出した砂利を使用していましたが、
現在では川の砂利は採取が禁じられておりますので、
山から採ってくるようになりました。
ちなみに、線路の砂利はおよそ20~45cmほど積まなくてはならず、
線路1kmにつき約1500~3000tもの砂利が必要になるそうです。

3000tってもう天文学的な数字過ぎて分かんねぇ…。サボすけ、分かりやすい例はないか?

武器とかちゃんと装備したガ〇ダム50体分くらいだな。

ますます分からなくなったんだが…。
線路の砂利のメンテナンスはどうしているのか?
砂利も当然無敵で不滅の存在というわけではありません。
衝撃などに晒されている砂利たちは摩滅したり、
路盤に沈んでいったりします。
そのため、定期的に補充する必要があります。
この線路の砂利の補充作業は、
バラストクリーナと呼ばれる特別な車両が行なっているそうです。
この機械はコンベヤで砂利をかき上げ、
ふるいにかけた後、新しい砂利を加えて戻していきます。
ちなみに、このバラストクリーナは終電が終わった後に作業を開始し、
翌朝の始発までには作業を終了します。
そのため、我々が目にする機会はあんまりないようです。

働く車とか機械ってちょっと好きだけど、あんまり見るチャンスがないのは残念…。
地下鉄の場合は砂利じゃなくてコンクリート?
ここまでに紹介した砂利を敷き詰めた線路のことを
「バラスト軌道」と言います。
しかし、実は地下鉄はこの砂利を使ったバラスト軌道ではなく、
コンクリートを使った「スラブ軌道」という線路になっています。
地下鉄が何故このスラブ軌道なのかと言うと、
・地下鉄のトンネル内は狭いので、砂利の交換作業が困難
・地上と違って騒音や振動を軽減する必要もないし、草や雨に悩むこともない
というのが主な理由として挙げられます。
また、このスラブ軌道はメリットもあり、
定期的なメンテナンスが必要なバラスト軌道に比べて
整備や点検の手間やコストが大幅に削減出来ます。
そのため、地上の線路でもこのスラブ軌道を採用している場合はよく見られます。
例えば、新幹線や大都市周辺の在来線などはこのスラブ軌道が多いようです。

やっぱりコストやメンテナンス面で優れるって言うのは、色んな分野において重要な要素だよな~。

整備とかにかかる時間やお金を削減出来るってのは大きなメリットだよな。
線路の砂利まとめ:この世に意味のない事柄なんてないのかもしれない…
鉄道関係者の方や鉄道ファンの方々に怒られるかもしれませんが、正直言って線路の砂利ってあんまり深い意味はないものだと思ってました。
しかし、調べれば調べるほど、様々なメリットがある合理的なものだということを知り、
「もしかしたらこの世に意味のないものなんてないのでは…」と考えさせられました。
もし電車の旅何かに行く機会があれば、
今度はこの線路の砂利にもよく注目して行ってみようかなと思います。
いつもの遠出とはまたちょっと違った感覚を味わえるかもしれません。

そんじゃ、電車で遠くに旅行する妄想をしながら寝ます。

結局どこにも行かずに終わったな。