俺はサボテンだが、何も水ばかり飲んでいるわけではない。普通の食べ物も普通に食べる。
ということで、腹が減ったからカップ麺でも食べようかと思う。
まずかやくを入れて、粉末スープを入れて…そしてお湯を注いで3分待つ!この待ってる時間もまた乙なものだ。
ジー
何だ?お前も食いたいのか?
いや、カップ麺とかカップ焼きそばに入ってるその乾燥した具って、何でかやくって言うのかな~と思って。
言われてみれば何でなんだろ?
じゃあ良いテーマも見つかったところで、今回はかやくについて調べてみるか。
普段俺達が何の気なしに食べているカップ麺やカップ焼きそば。
お湯を入れてちょっと待ってれば食べれると言うお手軽で美味しい庶民の味方ですよね。
しかし、そんな身近な存在であるカップ麺に、
今日まで理解出来なかった謎があります。
(俺だけかもしれないけど)
それが「かやく」の存在です。
カップ麺やカップ焼きそばには乾燥した野菜などが入った、
「かやく」と書かれた小袋が付いてきますが、
一体かやくとは何者なんでしょうか?
小学生の頃などは
・「爆発物なんだろうか?」
・「あるいは爆発的に美味しいみたいな意味なんだろうか?」
なんて思考を巡らせたりもしました。
(多分かすりもしない推理だと思いますが。)
今回はそんな長年の謎「かやくとは何者なのか?」
という部分に迫っていきたいと思います。
かやくは漢字で書くと「加薬」?
普段はひらがなで表記されているかやくですが、
漢字で書くとどういう字になるのでしょうか?
漢字での表記を見れば、もしかしたら
大体の意味が推測できるかもしれない!
ということで調べてみました。
かやくは漢字で表記すると「加薬」なんだそうです。
つまり、爆発物である火薬の線はこれで消えたというわけか。
普通はそんな線は最初からないぞ。
かやくの歴史について
では、次はもう少し深く掘り下げて、
かやくの歴史について調べてみましょう。
「薬を加えると書いて加薬」なわけですが、
これはその起源を辿ってみると、
元々は漢方医学の用語だったそうです。
漢方医学での加薬という言葉は、
メインとなる漢方薬の効果をさらに高める、
あるいは補助するために加えられる他の成分…、
という意味の言葉だったそうです。
カップ麺とかカップ焼きそばでも、メインである麺やスープをより美味しく感じさせるためにかやくを入れていると考えれば、結構合ってるのかもしれないね。
どんな業界でも、良い脇役がいるからこそ主役が引き立つってものなのかもしれないな。
このサイトもサボすけっていうサボテンの怪物が愛くるしさ溢れる俺を引き立ててるしな。
おい。
ちなみに、この加薬という言葉は室町時代後期の文献である
「運歩色葉集(1548年)」にも登場しており、
当時は漢方薬の材料として生姜(ショウガ)を使うことが多く、
主にこの生姜のことを加薬と言っていたそうです。
そして時が移って江戸時代になる頃には少しずつ加薬の解釈も変化して、
香辛料なども加薬と呼ばれるようになってきました。
例えば、江戸時代の料理書である「素人包丁」の鯛めしの項目にも
「加薬はおろし大根、ネギ、海苔、唐辛子」」と書かれていたそうです。
何だか色んな言葉がそうだけど、言葉の意味って時代の移り変わりによって本来の意味とはちょっと違った使われ方するようになったり、拡大解釈がされるようになっていくよね。
もしも俺達が未来にタイムスリップしたら、同じような言葉使ってるのに現地の人と全く話が噛み合わなかったりしてな。
まあそんときゃボディランゲージで対応するわ。
かやくが使われている他の料理とは?
漢方薬の補助的な成分という意味から始まり、
香辛料なども含むように拡大解釈がされてきたかやくですが、
ついにこのかやくをテーマにした料理も誕生しました。
それが江戸時代の大阪で生まれた「加薬ご飯」です。
この加薬ご飯が生まれたのは大阪の道修町というところで、
この道修町というのは薬問屋がたくさん集まっている町でした。
加薬ご飯というのは、古代中国の伝承に登場し、
薬の神様と言われる神農様の書にあった
滋養強壮に良い食べ物を混ぜて炊いたご飯で、
言うなれば炊き込みご飯の一種ですね。
ちなみに、神農様は薬や医療だけではなく、農耕を司る神様ともされていて、人々に農業を教えたと言われているぞ。
サボすけを鍋に貯めた水で栽培するという方法も神農様が伝授したものだぞ(嘘。)
この頃から加薬の意味はさらに拡大解釈がなされ、
料理に含まれる具材全般という意味でも扱われるようになりました。
ちなみに、このように「加薬=具材」という解釈をし始めたのは、
・和歌山県
・兵庫県
・高知県
が発祥とされています。
また、主役の食材に加える物という意味で、
加薬ではなく「加役」という字を当てることもあったとか。
加薬ご飯以外にも、様々な具材を使ったうどんを
「かやくうどん」と呼んだりもするそうです。
具材全般が加薬という扱いになるなら、流通が発達して世界中の食材が手に入る現代って無限に加薬ご飯とかかやくうどんのバリエーションが作れるよね。
かやくの量がカップ麺のランク分けに使われていた!
また、これは完全なる無駄知識ではありますが、
昔のカップ麺はこのかやくの量によってランク分けがされていたそうです。
一体どのようにランク分けされていたのかと言うと
・麺の重量に対してかやくの量が15%以上の場合は「上級」
・麺の重量に対してかやくの量が6%以上のものは「標準」
という感じで、JAS規格で定められていたんだそうな。
昔はカップ麺界にも厳しい上下関係があったんだな~。
この制度は現在では廃止されています。
本当に無駄な知識ですいません!
かやくについてのまとめ:日本人拡大解釈しすぎじゃね?
何の気なしに調べてみたかやくに関する歴史ですが、
読んでみると、何だか日本人がドンドン元の意味を
拡大解釈で変えていってるような感じがして面白かったです。
色んな分野でも言えると思いますが、
日本人って海外から入ってきたものや言葉、
文化なんかを勝手に自分風に作り変えていくの好きですよね。
まあそれが日本人の面白いところでもあるなと思いました!
かやくの話してたら俺もカップ麺食べたくなってきたな。サボすけがお湯まで入れてお膳立てしてくれたカップ麺でも食ってやるか。
自分で作れよ。