よし、今からサボテンのフリをしよう。
お前はアザラシだから無理だろ。
サボテンのフリをすれば、君のおこぼれを貰えるかなと思って。
やらねーから。
アリはアブラムシと共生していることは有名です。
アブラムシが作り出す糖分をアリにあげるかわりに、アリが用心棒をしてあげる、といった感じですね。
自然界ではこのような「お互いが得をしているから」という理由で共に生活をする生き物が数多く存在しますが、中には「明らかに片方が負けている」といった例も残念ながら(?)あります。
アリのふりをして巣に紛れ込むコオロギ
このアリヅカコオロギはアリに対して、特に糖分を与えたり、用心棒をしてあげているわけではありません。一体どうなんてんの!?
アリにとってほとんどメリットがないのに、なぜかこの2種は共生しています。一体なぜなんだ!アリは本来獰猛なはずなので、こんなこと許すはずがないのに!
アリに似ているから
理由は「アリに似ているから」です。
いや、姿形というわけではありません。
では、一体何が似ていると言うのでしょうか。
答えは「体の表面にある物質」になります。
アリは普段、相手の体の表面にある物質を見て、的か味方かを判断してると言われています。
そしてアリヅカコオロギは、ズルいことにこのアリと似たような成分を分泌させることにより、アリに襲われること無く、エサを頂くことが出来るんです。
あまりにもひどすぎる…。
ちなみに、長年アリに寄生して生きてきたアリヅカコオロギは、羽も完全に退化して無くなっています。鳴くことすら出来ないとのことなので、もはや本当にコオロギなのかを疑ってしまいますね。
アリヅカコオロギの図々しさについて
ここで、アリヅカコオロギの図々しさについていくつかご紹介します。
アリは働き者で有名ですが、そこで怠け者に寄生されてしまったわけですね。
アリが攻撃しようとしても逃げる
アリは相手の存在に気が付き、攻撃することがあります。
しかし、アリヅカコオロギはおしりにある2本の「感覚毛」を使い、いち早く敵の攻撃を察知して、回避行動をとります。
なんてやつだ…。
結果、アリはコオロギを攻撃することができず、常に寄生され続けるのです。
エサだけではなく卵も食べる
百歩譲って「おこぼれ」だけを貰って生きているのなら良いとしましょう。
しかし、アリヅカコオロギは困ったことに「アリの卵」まで食べてしまいます。
これはホントにシャレにならないですね…。
わりと頻繁に見られる行動なので、普段から隙を見つけてはこのような行為を日常的に行っている可能性高いとのこと。
結論:働き者の影には怠け者がいる
これは人間にも同じことが言えると思いますが、働き者の影には必ず「怠け者」が存在しますよね。
アリの中でさえ、怠け者が存在するので、アリヅカコオロギのような生物が現れてしまうのも、そんなに不思議ではないのかもしれませんね。
今回のまとめは、
・アリと共生するコオロギがいる
・アリと同じ物質でからだをおおうことによって、アリにばれない
・バレて攻撃されても回避する能力が発達している
といった感じになりました。
アリは規則正しいだけに、他の生物からすると「読みやすい」という弱点でもあるのでしょうか。
今回の記事は人間も他人事じゃないような気がして、少し怖い気分になりました。
アリヅカコオロギにならないように頑張ります!
じゃあね!