最近は小型化が進んでるよね。車とかケータイとか。
たしかに。便利な生活になったよな。
でも、馬は大型化してきたらしいよ。戦国時代に比べるとね。
まじで!?
戦国時代のドラマ、映画、アニメなどを見たことはありますか?
サラブレット系の馬がズラリと並び、武士たちが一斉に敵に向かって進軍する姿は本当にしびれるほどカッコイイですよね。
しかし、あの映像は史実からすると嘘だった可能性が高いのです。
戦国時代に使われていた馬はポニー並に小型だった
これって、牧場などで乗馬体験をするときに使われる「ポニー」と似たような種類だそうですね。
一般的なサラブレットの体高は約180センチくらいなので、いかにポニーが小さいのかが分かります。
世界でも小型の馬の方が一般的?
しかし、小型の馬を戦で使用していたのは日本だけではありません。
むしろ、古代の戦場ではメジャーな方だったのです。
あのモンゴル帝国も小型の馬に乗って一台帝国を築き上げたと言われていますし、ヨーロッパでも最初は大型の馬を使っていましたが、利便性の関係から小型の馬にシフトしていったと言われています。
ナポレオンの有名な肖像画も、実はサラブレットではなくポニーみたいな馬だったというのも有名な話です。
いつごろからサラブレットになった?
日本が戦で大型の馬を使い始めたのは、19世紀半ばからと言われています。それまではずっと「小型の馬」でした。
そもそも、日本人の平均身長がとても低かったので大型の馬は必要なかったんですね。
とにかく、
・我慢強くて丈夫
・小回りがきく
このようなポイントさえ押さえていれば、戦をすることが出来るので、そこまで拘る必要が無かったのです。
なんか、軽自動車が流行り始めてきた最近の日本と似たような流れになってきていますね。
なぜ、最近の映像作品ではみんなサラブレットなのか
「カッコイイから」
という理由以外にありません。
大の大人がみんな小さな馬にのって、
「かかれー!」
と叫んでいたとしても、コントにしか見えないでしょう。
バカ殿様を彷彿とさせます。
やはり映像作品は見た目が重要、サラブレットになったのも必然だったということですね。
うーん、俺はポニーでもリアリティがあって好きだけどな。やっぱり見た目ですかね。
世界の名軍馬についてちょっと見てみよう
こんな感じで、昔の軍馬というのは小型の馬が主流だったわけですが、歴史を紐解いていくと嘘か真か、「この偉人はこんな名馬に乗っていた!」というお話も目にします。
ということで、ここでちょっと余談にはなりますが、世界の名軍馬たちについてご紹介していきたいと思います。(さすがにフィクションだろ…という馬のお話も含みます。)
■赤兎馬
まずご紹介するのは、三国志の世界で活躍したと言われている赤兎馬(せきとば)です。
赤い毛並みを持ち、ウサギのように速いという意味を持つ馬で、関羽や呂布など三国志時代の猛将が乗ったと言われています。
この赤兎馬、速いだけではなくスタミナも恐ろしい程あるらしく、一日に千里を走ると言われていたそうです。
ちなみに千里というのをkmに換算すると、414,72kmになります。んなアホな。
…まあ千里というのは長距離を表すものの例えとしても使われる言葉なので、さすがにそこまでは行かなかったのではないかと思いますが…。
■ブケパロス
続いては、アレクサンドロス大王が乗ったという愛馬ブケパロスです。ブケファラスやブケファロスとも呼ばれていますね。
このブケパロスは黒くて大きな体を持つ馬で、額の毛の部分が牛の角のような形だったことから「雄牛の頭」という意味で名付けられたんだとか。ただ、名前に反して実は牝だったという説もあります。
ブケパロスはメッチャ気性の荒い暴れ馬で誰も乗りこなせなかったそうですが、実はブケパロスは自分自身の影に怯えていたんだとか。けっこう豆腐メンタルなようです。
アレクサンドロス大王はブケパロスのその悩みを見抜き、ブケパロスに太陽の方向を向かせる事によって影が見えないようにして落ち着かせ、見事に乗りこなすことに成功したそうです。
ブケパロスはアレクサンドロス大王がポロス王の軍と戦った時に戦死してしまいますが、アレクサンドロス大王はそんなブケパロスを丁寧に埋葬し、その地に築いた新しい都市に「アレクサンドリア・ブケパロス」という名前をつけたんだそうな…。
■マレンゴ
続いては皆さんご存知、ナポレオン・ボナパルトの愛馬であるマレンゴについての紹介です。
純血のアラブ馬で、はるばるエジプトからやってきてナポレオンの愛馬になりました。
芦毛(灰色・白っぽい色)の馬なため戦場では目立ち、敵から狙われやすいことから戦場向きの馬ではありませんでしたが、ナポレオンは芦毛の馬を好んでいたので愛馬としたようです。馬からしてみるとエラい迷惑な話ですね。
マレンゴは小柄な体ではありましたが俊足を誇り、朝飯前の運動で80km走り、食後の運動で128km走ったと言われています。また、戦場の迫力にも全く動じない鋼のメンタルの持ち主でもあったんだとか。
そんなマレンゴはナポレオンと共に幾多の戦場を駆け、8回も負傷してなお死なず、最後はナポレオンが敗れた時に戦利品としてイギリスに渡り、種馬になって38歳で亡くなったそうです。敵が欲しがり、DNAを残したいと思うほどの名馬っぷりだったんでしょうね。
■鬼葦毛
最後は日本から、日本で最もメジャーな武将である織田信長の愛馬、鬼葦毛(おにあしげ)を紹介します。
鬼葦毛は先程紹介したマレンゴと同じ芦毛の馬で、芦毛の荒馬だったことからこうした名前がつけられたそうです。
昔は名馬というのは大きなステータスシンボルの一つでしたので、織田信長は名馬を何頭も所有していたそうですが、そんな名馬たちの中でも特に気に入っていたのがこの鬼葦毛なんだとか。
凄い! ポニーのスペック!
ポニーは可愛いですが、あの可愛い見た目に騙されてはいけません。
なんと、ポニーは人を乗せても時速40キロほどのスピードで走ることが出来ます。
昔から日本に居た馬もこのくらいのスピードと言われているんですよね。
サラブレットは時速80キロほどと言われていますが、ここまで速くなくても戦では十分に役割を果たせそうです。
ちなみにポニーは30万ほどで購入することも出来るので、わりと手に届く範囲なんですよね。可愛いなー。
お腹が「ぼてっ」としてるのがとても可愛げがあります。
しかも実用性もあるので最高ですね。
結果:当時は見た目よりも実用性重視だった
冷静になって考えてみれば分かるのですが、当時は生きるか死ぬかの時代でした。
食べ物も満足にないので、維持費も視野に入れなくてはなりません。
見た目よりもコストパフォーマンスを優先するのは当然のことだったんですね。
小型のほうが維持費も安いわけですし、小型の馬に乗っても戦で得られる結果はそこまで変わらなかったでしょうから。
今回のまとめは、
・昔の戦場で使われていたのは体高140センチほどの小型の馬
・ポニーと大体同じくらいの大きさ
・しかしポニーでも時速40キロほどで走ることが出来る
といった感じでした。
誰かポニーを使ったリアリティあふれる映画を作ってくれないかなー。
でも見た目が微妙になりすぎますかね。
ではでは!
確かに、ポニーと大きな馬は軽自動車と大型乗用車のようなもの。乗物として使うのであれば、性能に多少の差はある事は否めないとしても維持費の差ほどの大差ではない。合理主義なら軽自動車にするのも理解できます。
が、
「ポニー」は大人になっても体高58インチ(147cm)以下までしか成長しないの馬の総称。特定の品種を指す言葉ではありません。
戦国時代の馬は体高130~140㎝台。ポニーの範疇に入ります(馬の体高の測り方を正しく理解していますか?)。
が、一般人がこれを見れば…鞍の座る面の高さが小柄な女性の目の高さより高いくらいになっている。乗り降りが大変で踏み台が要る…ポニーというより立派な馬と見るに違いないです。一般人から見たポニーは ジョッキーベイビーズ規格(125㌢以下) か もしかしたら 乗り降りの楽な体高1m未満のミニポニー(運動音痴向) かも知れないです。
>・ポニーと同じくらいの大きさ
という表現は完全におかしいです。
詳しい情報をありがとうございます!凄く勉強になりました!
たしかに ポニーと同じくらいの大きさ という表現はおかしい気がしてきましたね。
ポニーの明確な定義が分かってスッキリしました!ありがとうございました!