二人の息がピッタリなコンビネーションのことを、
よく「阿吽の呼吸」または「阿吽の仲」なんて表現します。
けっこう耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
しかし、よくよく考えてみると「そもそも阿吽って何だよ」と
疑問を持ったことがあるという方もいるはずです。
かく言う俺もその一人で、子供の頃に漫画などを呼んでいて、
阿吽の呼吸という言葉が出てくる度にそう思っていました。
普段阿吽の呼吸で雑学を紹介している我々ですが、阿吽って一体何なのかは全く知りません。
ということで、今回はそんな阿吽の謎についてご紹介していきたいと思います。
そもそも阿吽ってどういう意味なのか?
それでは早速やっていきましょう。
まずは、阿吽の呼吸の「阿吽」とは、
一体どういう意味の言葉なのかをご紹介していきます。
元々阿吽というのは仏教に伝わる呪文の一つなんだそうです。
では一体どういう意味なのかと言うと、
まず阿吽の「阿」というのは口を開いた時に最初に出る音、
そして、「吽」というのは口を閉じる時に出る最後の音を指します。
つまりこの二つは始まりと終わりを意味しており、
宇宙の始まりと終焉を表す言葉なんだそうです。
何だかいきなり壮大な話になってきたんだが…。
いきなりスケールがでかくてついていけ無さそうな気がしてきた。
また、宇宙の始まりと終わりという意味以外にも、
阿は真実や求道心(自分を高めようとする心のこと)を表し、
吽は知恵や涅槃(煩悩を捨て去った知恵の完成形のこと)を表している
という解釈がされる場合もあるようです。
思ったんだけど、俺達を阿吽に例えるならどっちが阿でどっちが吽になるんだ?
知性溢れるインテリの化身とも言える俺は阿吽で言うなら吽の方の可能性があるな。
お前いっつも食っちゃ寝食っちゃ寝してて煩悩の化身みてーなもんじゃねーか!
じゃあいっつも雑学の知識を集めてて向上心の塊と言っても過言ではないので阿の方にします。
対となるものを阿吽と表現することも
また、阿吽というのは上記のように
始まりと終わり、真実と知恵だけを表すだけではなく、
対となる者同士を指す表現としても使われるようです。
代表的なところで言うなら、
お寺に一対で立っている金剛力士像(仁王様)や狛犬、
沖縄の守護神であるシーサーなども阿吽として表現することが出来ます。
つまり俺とサボすけも、大海を統べている俺と大地を統べているサボすけで対になるので阿吽として表現出来るというわけだな。
別に統べてないけどな。
金剛力士像ってどっちが阿でどっちが吽なの?
先ほど阿吽の例としても紹介した、
お寺でよく見かける金剛力士像。
「仁王様(におうさま)」や
「阿形様(あぎょうさま)、吽形様(うんぎょうさま)」等とも呼ばれる彼らですが、
一体どっちが阿でどっちが吽なのか?ちょっと気になりますよね。
実はこの金剛力士像の阿吽の区別は、
元々の阿吽の意味である始まりの音である阿と、
終わりの音である吽に基づいて決められています。
そのため、金剛力士像は口を「阿!」と開いている方が阿形様。
口を「吽!」と閉じている方が吽形様となっております。
ちなみに、この阿形様と吽形様の配置は、
通常は向かって右側が阿形様、
向かって左側が吽形様となっております。
ただし、この左右の配置は絶対的なものというわけではなくて、お寺やその像が建てられた時代などによっては逆になってることもよくあるから別に気にしなくてもいいよ。
ちなみに、この区別は狛犬でも同じで、
狛犬も口を開いている方が阿形様扱い、
口を閉じている方が吽形様扱いなんだそうです。
狛犬は実はオスとメスがいる!?
阿吽つながりで次は狛犬についての雑学をご紹介します。
金剛力士像と並んでお寺に一対で置かれている狛犬ですが、
実はこの狛犬というのは片方がメスで片方がオスと分かれており、
見た目も微妙に違うんだそうです。
では、どういう違いがあるのか?
というのを紹介していきます。
まずメスの方についてですが、
基本的に狛犬の阿形様というのはこのメスのことで、
メスは口を開けているのが特徴です。
そして、メスの方は耳が垂れている場合が多いんだそうです。
(なんだかちょっと可愛い。)
次にオスの方についてですが、
メスが阿形様なのに対してオスは吽形様。
つまりオスは口を閉じています。
そして、オスの方は耳が立っていたり、
角が生えている場合があるのが特徴です。
また、今でこそこのオスとメスの
四足歩行動物の像を指して「狛犬」と呼んでいますが、
本来はメスの方と言うのは「獅子」つまりライオンなんだとか。
厳密には狛犬というのはオスの方の事を言うそうです。
まあ面倒臭いからひとまとめに狛犬って呼んだ方が現代は混乱しなくていいような気がするけどね。
細けーことは気にすんなや。
また、狛犬と同じような四足獣の守り神として
沖縄のシーサーがいますが、
このシーサーも口を開けているのがメス、
口を閉じているのがオスなんだとか。
シーサーは元々火災から守るために作られた!?
続いては、狛犬に似ているシーサーについての雑学です。
シーサーと言うと沖縄の名物の一つであり、
魔除けの力があるとされていて、
沖縄旅行などにいけばそこかしこで見ることが出来るくらい
一般家庭にも普及している守護神様ですよね。
しかし、そんなシーサーが作られた理由は
元々は魔除けではなく、火災を防ぐためなんだそうです。
初代シーサーが作られたのは1689年の事。
当時は火災が頻繁に起こっており、
人々は度々起こる火災に頭を悩ませていたそうです。
そこで、風水師にどうすればいいのかアドバイスを求めてみると、
火災の原因は八重瀬岳からの影響によるもので、
それを静めるには獅子の像を作って八重瀬岳の方を向かせるのが良い
…と言われたそうです。
そこで人々はその言いつけ通りに獅子の像を作って
八重瀬岳の方に向けさせるようにしました。
その結果、人々を悩ませていた火事は減少し、
平和がもたらされたそうです。
この話が本当だとしたら、風水っていうのはけっこう本当に効果あるのかもね~。
占いとか風水って目に見えない力だから何だか疑わしい面もあるけど、単純にまだ科学では立証出来ないってだけなのかもしれないな。
このことがきっかけでシーサーは沖縄の人々の間で広まり、
いつしか火災防止だけではなく魔除けの意味を持つ守り神として
奉られるようになっていったんだそうです。
ちなみに、この火災防止のエピソードに出てくる
史上初・最古のシーサーですが、しっかりと現存しているそうです。
その大きさは高さ1,4mの全長1,75mと大きく、
沖縄の指定有形文化財に指定されています。
このシーサー、表面には複数の穴が開いているのですが、
これは第二次世界大戦の際についてしまった弾痕なんだとか。
シーサーにとってはとんだとばっちりですな。
八重瀬町の富盛地区で見ることが出来ますので、
機会があったら是非見てみてください。
俺も沖縄旅行とか行く機会があれば見に行ってみたぞ~。
阿吽についてまとめ:元の意味が壮大過ぎてビビった
阿吽というのは何と言うか、
単純に息の合ったコンビくらいのもんだと思っていました。
しかし、その元々の意味を遡ってみると
まさか宇宙の始まりと終わりが関わっていたとは…。
これにはスケールのでかさに驚きました。
また、阿吽の代名詞として知られる金剛力士像や狛犬などにも、
細かい設定があるというのはけっこう面白いと思いました。
それでは今回はこれでお終い!これからも阿吽の呼吸で雑学を紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
そんなに息ピッタリってわけじゃないと思うけどな~。