皆さんはシロクマって見たことありますか?

シロクマというと

・めちゃくちゃ強そうな生物
・動物園などでの人気者

などなど、人によって
様々なイメージを持っていると思います。

 

そんなシロクマですが、ちょっと調べてみると
ただ強くて可愛いだけの生き物ではなく、
色々と面白い生態系やエピソードがあるんだとか。

 

なべざらし

というわけで、今回は興味本位でシロクマについて調べてみたので、シロクマについての雑学を紹介していきたいと思います。

 

 

シロクマとは一体どんな生き物なのか?

では、まずはシロクマとは一体どういう生き物なのか?
詳しいところを見ていきましょう。

 

シロクマの正式な名前はホッキョクグマで、
クマ科クマ属に分類される生き物です。

 

シロクマという名前が定着し過ぎているため、
どっちが正式な名前なのか分からないという方もいるかもしれませんが、
正式にはホッキョクグマなので覚えておきましょう。

 

ホッキョクグマは主に北アメリカ大陸の北部や
ユーラシア大陸北部、または北極圏に生息しています。
北極に住んでいるからホッキョクグマというわけですね。

 

大きさはオスが体長約200~250cm、
メスが180~200cmとかなりの巨体を誇っており、
体重もオスが400~600kg、メスが200~350kgと
これまた巨体に見合った重さを持っています。

 

また、オスの重さは最大でなんと800kgにもなる場合があるんだとか。

 

ホッキョクグマはその圧倒的な大きさから、
地球上の肉食動物で最大の生物と言われています。
(草食動物にはゾウやキリンなど、もっと大きいのもいますが。)

 

さぼすけ

めちゃくちゃフィジカルエリートな生き物だな。勝てる気がしない。

 

見た目の特徴としては、白く見える毛の他に、
他のクマに比べて小さめな頭と長めな首があり、
この形は水の中を泳ぐのに適しているようです。

 

実際、ホッキョクグマはおよそ時速6,5kmの速さで泳げ、
一日に65kmも泳ぐことが出来るんだとか。
(ちなみに水泳の世界記録でも時速7,5km。)

 

さぼすけ

ちなみにアザラシが泳ぐスピードは8,8kmほどと言われています。

なべざらし

ただし、俺がその速度で泳げるかと言うと個体差というものがあるので保証出来ないところがあります…。

 

 

シロクマの主食は…?

クマは元々雑食性の高い生き物で、
植物も生き物もどっちも食べます。

 

しかし、ホッキョクグマはその中でも肉食性が高いので、
主に生き物を狩って食べています。

 

ではどんな生き物を主な食料にしているのかと言うと、
アザラシや魚類、鳥類やその卵、イッカクやイルカなどの哺乳類を食べているようです。

 

なべざらし

つまり俺…ってことですよね。まだ死にたくないんですが…。

さぼすけ

陸ではホッキョクグマに追われ、海ではシャチに追われで忙しいな。

 

ホッキョクグマは氷上にいるアザラシに忍び寄って狩ったり、
氷の上で待ち伏せしてアザラシが呼吸しに海から出てきた所を襲うなど、
様々な場面で積極的にアザラシを狙ってきます。

 

さらに、ホッキョクグマは嗅覚が優れていて、
その嗅覚でアザラシの巣を見つけ出して氷に穴を掘り、
アザラシを襲って食べるんだとか。

 

なべざらし

アザラシに逃げ場なし!?

 

ホッキョクグマは前述の通り、
オスなら500kgもの巨体を誇る場合も多く、
その巨体を維持するには1日に1万2000~1万4000ほどの
カロリーが必要となります。

 

これは1週間に1匹ほどアザラシを食べることで
ちょうど賄えるくらいの量だそうです。

 

狩りが上手く行かない時などは
最悪餓死してしまうこともあるので、
ホッキョクグマも必死ということですね。

 

さぼすけ

アザラシはホッキョクグマにとって食の目安になってるってことか。

なべざらし

まあアザラシからするとたまったもんじゃないんですが…。こんな愛らしい生き物を狙わなくてもいいじゃないか…。

 

シロクマに天敵はいないのか?

ホッキョクグマはその圧倒的な体格によって北国では敵なしで、
その強さはネットでよく見る「最強の動物ベスト〇〇」とかでもよく掲載されるほどです。

 

では、そんなホッキョクグマを倒せる
天敵となる生き物というのはいないのでしょうか?

 

実は、一応いることはいます。

 

例えば一つは人間です。

 

さすがのホッキョクグマも
銃などの武器を駆使する人間の前では
狩られてしまいます。

 

ホッキョクグマの肉は
イヌイットの方々の食料にもなっていましたし、
ヨーロッパからの探検隊の方々も食料が少なくなった時は、
ホッキョクグマを狩って食料にしていたそうです。

 

なべざらし

さしものホッキョクグマも人間には勝てないのか…。

さぼすけ

地球上で一番ヤバイ生き物はやっぱり人間なのかもな。

 

また、もう一つの天敵を挙げるならシャチですね。

 

シャチは何と体長5~7mほどもあり、
海の食物連鎖の頂点にいるとされる哺乳類。

 

その性格は獰猛かつ貪欲で、
歯は獲物を噛み切る事に特化した進化を果たし、
知能も高く集団で狩りを行い、
なんと水中を時速60~70kmで泳ぎます。

 

なべざらし

そしてアザラシをよく捕食します…。

さぼすけ

水中を車みたいなスピードで移動するとかどうなってんだ一体…。

 

陸上では強いホッキョクグマも、
さすがに水中ではシャチには敵いません。

 

そのため、水中を泳いでいる所をシャチに襲われ、
捕食されてしまうこともあるんだそうです。

 

また、近年では温暖化の影響によって北極の氷も減り、
ホッキョクグマが泳いで移動しなくてはならない場合も増えたので、
シャチに襲われる危険性はより高くなっていると言われています。

 

さぼすけ

水中はシャチの独壇場!皆も水中でシャチに襲われたらいさぎよく念仏を唱えよう!

なべざらし

俺は諦めんぞおおおおおおおおおお!!!

 

 

シロクマの肝臓を食べると命を落とす!?

 

イヌイットの方々の食料にもなっていたホッキョクグマですが、
肝臓だけは食べられなかったそうです。

 

何故かと言うと、
ホッキョクグマの肝臓というのは
非常にビタミンAが豊富!

 

どれくらい豊富なのかと言うと、
食べると過剰摂取によって死ぬくらいなんだとか!

 

そのため、イヌイットの方々は肝臓は食べず、
また、犬ソリ用の犬などにも食べさせなかったそうです。

 

なべざらし

皆もビタミンAが不足しているからって、ホッキョクグマの肝臓を食べて補給しようとするのはやめましょう。

さぼすけ

まあホッキョクグマの肝臓を手に入れること自体ほぼないと思うけどな。

 

また、ホッキョクグマは肉に繊毛中などの寄生虫がたかっていることも多く、
アメリカ軍のサバイバルマニュアルでは危険な食物として記載されているそうです。
危険なのは肝臓だけではないようですね。

 

さぼすけ

イヌイットの人達よくこんなもん食ってたな…。

 

シロクマの毛は実は白くない!?

 

全身が白い体毛に覆われているように見えるホッキョクグマですが、
実は厳密に言うとホッキョクグマの毛は白ではないんだそうです。

 

実はホッキョクグマの毛と言うのは無色透明で、
中はストローのように空洞となっています。

 

この透明な毛が白く見える理由は、
この毛の中の特殊な構造によって光が乱反射し、
白く輝いて見えるからなんだそうです。

 

ちなみに、ホッキョクグマの皮膚は実は黒いんだとか。

 

さらに、この特徴的な毛にはもっと驚くべき秘密があります。

 

この透明な毛は太陽の光を遮ることなく、
奥にある皮膚まで届かせることができ、
寒い北極でも体温を暖かく保つために役立ちます。

 

そして、その太陽の熱はホッキョクグマの
分厚い脂肪とこの透明な毛によって保護され、
暖かさを持続することが出来るんだとか。

 

ちなみに、ストロー状になっている
透明な毛の内部自体も保温の効果があるようです。

 

さぼすけ

防寒対策は完璧ということだな!

 

また、この透明な毛は保温効果だけではなく、
雪原では保護色にもなるため外敵から身を守ったり、
狩りをする時にも役立ちます。

 

なべざらし

つーか元々強いのにさらに保護色で姿を隠そうとするとかズルいんじゃないか?襲われる方の身にもなってくれんかね。

 

また、余談ですが、ホッキョクグマは
この特殊な毛の構造によって体温がほとんど外に逃げないため、
体から出る赤外線の量が非常に少ないようです。

 

そのため、赤外線カメラなどで
空中からホッキョクグマを撮影する際などは、
雪の反射光にホッキョクグマが隠れてしまって
ほとんど写らないんだとか。

 

動物園のシロクマは「ミドリグマ」になる!?

 

上記のように空洞が特徴的なホッキョクグマの毛ですが、
動物園などで飼育されている個体の場合、

この毛の空洞ないが汚れてしまったり、
時には空洞内に藻が生えてしまうことがあるそうです。

 

そうした場合は、ホッキョクグマの毛が白ではなく、
黄色がかって見えたり緑色っぽく見えることもあるんだとか。

 

そうした緑色に見える状態のホッキョクグマを、
俗にミドリグマと呼ぶそうです。

 

さぼすけ

カラーバリエーションも豊富なんだな。

 

ホッキョクグマとヒグマは親戚

他のクマとは違って色も白く、
体格も若干異なるホッキョクグマですが、
実は元を辿ればヒグマに非常に近い生き物なんだとか。

 

ホッキョクグマとヒグマは
およそ15万2,000年前に共通の祖先から
枝分かれして別々の進化を辿った種と言われています。

 

そのため、なんと互いに交配して
子孫を残すことが可能なんだとか。

 

最近では地球温暖化の影響もあって、
北の方に上がってきたヒグマと南下してきたホッキョクグマが出会い、
交配することによってハイブリットクマが生まれることもあるそうです。

 

ちなみにこのハイブリットクマは
ホッキョクグマとヒグマ両方の特徴を備えており、

ホッキョクグマのような白く見える体毛に
ヒグマのような盛り上がった肩を持ち、
土を掘るための長く湾曲した爪を持つそうです。

 

なべざらし

どっちかって言うとヒグマに近い子供が生まれるんだね。食の好みもヒグマの方に似てくれればアザラシ的に助かるんだけど。

 

ちなみに、このように近い種族同士で交配して生まれる生き物として、
ライオンとトラの交配によって生まれる「ライガー」が有名ですが、
ライガーは生殖能力が低く1世代のみで途絶えてしまうんだとか。

 

しかし、このホッキョクグマとヒグマの子はちゃんと生殖能力があり、
世代を重ねて行くことが可能なんだそうです。

 

さぼすけ

環境が変わっていくと、もしかしたらこのハイブリットクマがシロクマのメインになる可能性もあるってことなのかな~。

 

シロクマに関する心理効果がある!?

 

あまり聞いたことがないという方も多いと思いますが、
実は世の中には「シロクマ効果」なる心理効果があるんだとか。

 

このシロクマ効果とは一体どんな心理効果なのかと言うと、
「シロクマのことは考えないでください」と言われると、
逆にシロクマについて考えてしまう…というものなんだとか。

 

このシロクマ効果はアメリカのウェグナーという心理学者が
1987年に行った実験が由来となっています。

 

ウェグナーさんは被験者を3つのグループに分けて
シロクマの映像を見せた後に

・Aグループには「シロクマのことは覚えておいてね。」
・Bグループには「シロクマのことは考えても考えなくてもいいです。」
・Cグループには「シロクマのことだけは絶対に考えないでください。」

という風に言って聞かせました。

 

そして、ある程度日にちを置いた後にその被験者の方々に
実験で見せたシロクマについて訊いたところ、
もっともシロクマについてよく覚えていたのはCグループだったそうです。

 

シロクマの事を考えるな!と言われると、
「自分は今シロクマについて考えていないか?」
と逆に意識してしまうことになります。

 

そのため、結果的にシロクマについて考えることは増え、
強く印象に残ってしまうんだとか。

 

なべざらし

この実験に使われたのがシロクマじゃなくて俺だったらなべざらし効果になっていたのか…。貴重なチャンスを逸してしまった。

さぼすけ

この話の通りに考えると、仕事とか試験とかスポーツとかで『失敗した時のことなんて考えるな!』って言われると、逆に強く考えてしまうことになるという事か。

なべざらし

なんだか逆にプレッシャーを与えてしまうことになりそうだな。

 

 

シロクマまとめ:ただ強いだけのクマではなかった

 

シロクマと言うと、何だか漠然と
「とにかく強い生き物」というイメージがありましたが、

こうして色々調べてみると

・実は毛が透明
・肝臓がビタミンA豊富過ぎ
・シロクマが由来となった心理効果がある
・水中ではシャチには負ける

などなど、様々な意外な事実が浮き上がってきて、
ワクワクしながら調べることが出来ました。

 

シロクマは温暖化などの環境の変化によって
個体数の減少が叫ばれており、アザラシ的には助かるのですが、
出来れば絶滅なんてことにはならないでほしいな~…と思います。

 

なべざらし

ホッキョクグマは天敵ではありますが、環境の変化に負けずにこれからも繁栄してほしいと思います。また、その過程でアザラシ以外に良い食べ物を見つけてほしいと思います。