なべざらし

カモみたいな水鳥の足の温度って凄く冷たいんだよ。これのおかげで冷たい湖の中に居続けることができるそうだよ。

さぼすけ

たしか、「脛足根血管網」という温度調節機能が関係しているんだっけ?本当に便利な機能だよな。ところで、あざらしはなんで寒いところでも平気なんだ?

なべざらし

豊富な皮下脂肪とツルツルボディのおかげ。だから俺は「毎日たくさん食べる」という日々の努力を忘れないの。

さぼすけ

お前の場合はただ食いしん坊なだけだろ。

 

 

水鳥の「カモ」は一日中水の上に浮かんでいて、足が冷たくならないのでしょうか?ペンギンは氷の上を素足でペタペタ歩いていて凍傷にならないのはなぜ?

今回は、そんなペンギンやカモが不思議で仕方がなかったので、そんな彼らの秘密に迫ります。

カモの平均体温は高い

水鳥は平均の体温がとても高いです。他の動物は38度前後なのに対して、鳥類の体温は40~42度と、とても高温なことが分かります。

たしかに、鳥を持ってみるとホカホカしてるもんな~。

 

体温が高い理由

鳥の体温が高い理由は、新陳代謝を促進させることにより、空を飛ぶくらいの激しい運動をするためのエネルギーを手に入れるためです。

車が停車中に、エンジンをつけっぱなしにしておいて、いつでもスムーズに発進出来るように体を温めているということですね。

 

人間は動く前に「ストレッチや軽い運動」などで体を温めたりしますが、それ工程を省くことが出来るわけですね。

更に、体中を覆っている羽毛が体の熱を逃さないために、いつでも暖かく感じられます。

鳥も人間と同じく体温を調節している保温動物ですが、羽毛のおかげでよりいっそうその役割を果たしやすいということですね。

 

なので、鳥は体の体温を確保するためにも、体重が低いにもかかわらずたくさんエサを食べなければなりません。大変だな~。

 

なべざらし

常に体を温めた状態を保ち、いつでも空を飛べるようにしているというのは、それすなわちいつでも臨戦態勢ということですな。

さぼすけ

いざ外敵に襲われそうに鳴った時に「ちょっとウォーミングアップが済むまで待ってくれ」というわけにはいかないしな。

 

カモは足だけ体温が低い

もう1つの理由は「カモの足は最初から体温が冷たい」ということです。

 

体がポカポカしているの対して、足は水と同じくらいの温度しかありません。

 

これには鶏のもつ「脛足根血管網」という温度調節機能が関係しています。

鳥は2つの体温を保つために、動脈と静脈が網目状に絡み合い、お互いに熱を交換しあっているため、足と体では温度が違うのです。

 

つまり、体を流れている温かい血液は、足から来る冷たい血液と隣合わせになることによって、温度が低くなるんですね。また、足から体に向かう血液は、逆に暖かくなるように出来ています。

 

ペンギンも同じような働きがあるため、平気な顔をしてペタペタと氷の上を歩くことが出来ます。

本当に動物の豆知識は、知れば知るほど関心させられますね。

 

さぼすけ

冷たいところに接する部位の血液を「低温」にすることで冷たさを感じにくくしているんだな

 

なべざらし

以前からペンギンを見て「我慢強い子たちだなー」と感心していたけど、実はこういうからくりがあったんだね。

 

この機能のほかにも水辺などに済む鳥の中には「片足立ちをする」ことで、上手に体温を調整しているものもあります。鳥は飛ぶためには「熱」が必要なので、無駄に体温を下げるわけにはいかないんですね。

 

脛足根血管網だけではなく、普段の無意識の動作に注目してみても、いかに体温に気を遣っているのかが分かります。

 

さぼすけ

そりゃあ、外敵が来た時にすぐに逃げられないってことは死ぬことに繋がっちゃうからな。そこに気を遣うのは当然なのかもしれないな。

 

世間が言うほどバタ足をしているわけではない

 

一般的には「水鳥は優雅に浮かんでいるようにも見えるが、実は水中では激しくバタ足している」と言われてたりしますよね。

 

実はあれ半分正解で半分ハズレ、という感じらしいですね。

 

もちろん、水中を前進するときは「バタバタバタッ」と水かきを動かしているのですが、何もせずに水に浮かんでいるときは足を動かしてないのです。

 

では、どうやって水面に浮かんでいるのかというと、水鳥がもっている「油脂線」という器官が関係しています。この期間がお尻にあるために、水中でもぷかぷかと気持ちよさそうに浮いていられるわけですね。

 

なべざらし

油は水よりも軽いから、浮くことができるんだねー。俺も頑張って油をつけないと!

さぼすけ

お前はコロコロしすぎだから、むしろダイエットをした方がいいぞ。

 

また、油以外にも水鳥は「羽と羽の間に空気をためる」ことができるので、それが浮袋の役割も果たしていたりします。いろいろな機能を使って「水の上に浮く」ことを実現しているんですねー。

 

よく忍術でも「水蜘蛛の術」という水面を歩く術もありましたが、水鳥を参考にすると実現できるのかもしれませんね。

 

ペンギンの場合は「バタ足」というよりは「フリッパーで泳ぐ?」

 

じゃあ「水面」どころか「水中」にいるペンギンはめちゃくちゃバタ足をしているのか!?と言われると、それも違うようです。

 

ペンギンは寒い地域に適応するために、たくさんの脂肪を貯えなければなりません。そのため、太れば太るほど「水よりも軽く」なってしまうため、本来であれば水面に浮いてしまうはずです。

 

では、なぜ水面に浮かばずに自由自在に水中を泳ぎ回れるのかというと、翼(フリッパー)に秘密があったんですね。

 

ペンギンは水中で素早く泳ぎ回るために、翼がひれ状(泳ぎに適した骨格)に進化しました。その泳ぎに適した骨格に加え、泳ぐための筋肉が発達したおかげで自由に泳ぎ回ることができます。

 

ちなみに、水族館などでよく観察してみるとわかりますが、ペンギンの翼には「小さい羽」もあります。この羽も「推進力」を生み出す役割を果たしているんですね。

 

正に「水中を泳ぐ」といった感じなんですね。

 

じゃあ足は何に使うの?

 

じゃあ、足はいったい何に使っているの?と思うかもしれません。

実は足は「泳ぐ方向をコントロール」したりするときに使われています。

あとはブレーキの役割も果たしているんですね。

 

そんなわけで他の水鳥と同じくで「見えないところでバタ足」をしているわけではなかったのです。

 

なべざらし

ちなみに、ペンギンが氷の上などを「スイー」っと滑ったりする動きのことを「トボガン」と呼ぶそうだよ。

さぼすけ

ここでも、あんまり足は使ってないんだな。

 

結論:進化ってすごい

イカやらタコやら、キリンやらの記事を書いてきましたが、自然に合わせて進化してきたのは決して人間だけではないんだなーと関心させられます。

鳥もその1匹だったというわけですね。ペンギンが進化して人間みたいになっても、靴は流通しないのかな? でも、長くつは現場作業とかでも使われているから、結局は普通に使われてそうだな。まぁいいや。

 

今回のまとめは、

・カモは体温が高いため、水上に1日中いても大丈夫

・しかし足の体温は水と同じくらいの温度

・足の血液と体の血液が細かく絡み合っているので、常にお互のに熱を交換しているため

といった感じになりました。

 

なるほどなー。よく車の窓からカモがプカプカ浮いているのを見て「幸せそうだなー」と思う反面「寒くないのかな?と毎回思っていたのですが、長年の疑問が解決しましたね。

人間にもこんな便利な機能があったらよかったのにな~。

 

あ、俺アザラシだったわ。

じゃあね!