申し訳ないけど、ハッキリ言わせてもらうよ?
な、なんだよ。
夏にヒョウが降るのは当然のことだからね。不思議なことじゃないからね。
え?
そういうことだ。
……? ああ、わかった、覚えたての知識を披露したいんだな。
そういうことだ。
そこは否定しろよ。
夏にヒョウが降る理由
夏に雪が降る…なんて、ちょっと常識では考えられませんよね。
でも、実際世界各地で「夏にヒョウが降った」という事例がいくつも確認されています。
これは果たして異常なことなんでしょうか?調べてみました。
まず、ヒョウって何?
空から降ってくる氷の塊です。
大きさが5ミリ以上のものを「ヒョウ」と呼びます。
出世魚みたいな感じで呼び方が変わるわけです。
水蒸気が上空で氷になり、そのまま地面に降ってくるという意味では、どちらも似たようなものです。
落下速度は1cmのもので時速30キロ、5cmで時速120キロにもなります。これは当たったらやばいわ…。
なぜヒョウが出来るのか
夏でも冬でも、上空の温度はとても低いのです。真夏だったとしても、上空はマイナス○度だった、というのはよくあることです。
地上からたくさんの水蒸気が上空にあがっていき、その場で固まります。やがて大粒の氷になり地面に向かって降ってきます。
氷が降ってくるなんて恐ろしいですね。ちなみに、ヒョウによる被害も多数確認されているので、ヒョウに遭遇した人は無闇に出歩かずに屋根のある近場に避難しましょう。
むしろ夏の方がヒョウは出来やすい
それに対して、夏はたくさんの水が蒸発し、上空に水蒸気としてあがっていきます。そして、上空は夏だろうが冬だろうがマイナスの温度になっています。
夏こそ、ヒョウが出来る環境に適しているというわけなんですね。
なので、夏にヒョウが降るのは別に不思議な事でもなく、むしろ当然のことと言えます。
夏は暖かいので、最初は氷だったとしても、降ってくる途中で雨になってしまいます。
25度以上の場合は全て空気中で溶けてしまうとのことなので、中途半端に暖かくて水蒸気の量が多くなる初夏、もしくは秋ごろにヒョウが振りやすくなるわけですね。
雹は氷なので、氷=冬みたいなイメージがあるかもしれませんが、その固定概念が命取りになる可能性もありますぞ!気をつけよう!
大粒の夕立は空気中で氷が溶けたものだったんです。
そう考えると、ヒョウが降ってくる可能性もそんなに低いわけじゃない気がしてきますね。
恐るべき雹の被害の例
氷の塊が空から降ってくるというだけで、当たったら半端なく痛いだろうというのは容易に想像出来ますが、実際雹ってどれくらいの被害が出るものなのか、ちょっと調べてみました。
例えば日本の過去の雹の被害を見てみると
- 1911年:青森でみかんくらいの雹が降って農作物や家屋に大ダメージ
- 1933年:兵庫県で激しい降雹があり死者10名、負傷者164名、住家198棟が全半壊
- 2000年:千葉県北部・茨城県南部で激しい降雹があり、家屋48000軒が被害を受ける
と言った被害が出ています。
当たればケガはもちろん死亡のリスクもあるし、家も壊されてしまうとは…雹恐るべし。
しかも空から降ってくるなんて逃げ場もないもんな…。ただ屋内に引っ込んで早く雹が止むのを待つしか対策がない…。
何だかそう考えると、俺達生き物なんて自然環境の前ではちっぽけな存在なのかもしれないな~。
ヒョウが降ってきた時の対策は?
氷がガラスを突き破ってくる可能性があるので、近くにいると怪我をしてしまいます。
また、外に居た場合はすぐに屋内に避難しましょう。
傘をさしていたとしても、突き破られてしまうことがあります。
傘がダメなら鍋を被るのはどうだろうか!?
イヤイヤ素直に屋内に逃げ込めよ。
そうします。
車内にいる場合は車を邪魔にならない路肩に停めて、なるべく外には出ないようにしましょう。
車内にいる時に雹が降ってくると、雹が車の屋根に当たる音がデカくてビックリしてしまい、思わず様子を見ようと外に出てしまいがちですが、外に出ると自分が雹の雨にさらされることになりますので大変危険です。
「車内にいるとガラスが雹で割れてケガしてしまうのでは…」と思う方も多いと思いますが、車のガラスというのは割れた際に人がケガをしにくいように粉々に砕けるように作ってありますので、意外とケガしにくいです。ご安心下さい。
ちなみに、雹が降る時は雷もよく鳴ってるんだけど、雷も車内にいた方がいくらか安全だったりします。
車万能だな。
俺も一度だけヒョウらしきものを経験した時がありますが、たまたま室内にいたので助かりました…。
屋根からものすごい音が聞こえてくるので、かなりビビりますよ。
ヒョウが降りやすい状況は?
初夏、または9月頃に振りやすいです。
水蒸気の量もそこそこあり、氷の塊が降ってくる途中で溶けないからです。
また、積乱雲(入道雲)をみかけたり、冷たい風が吹いてきたりした場合も警戒しておきましょう。乱気流は夏に発生しやすいのも、今回のように水蒸気などが関係しています。
その場合、雨が降りだすと、やがてヒョウに変わる可能性があります。
ちなにみ世界最大の雹はどれくらいだったのか?
空から恐ろしいスピードで落ちてくる氷の塊の雹ですが、今までで世界最大最強の雹はどれくらいの大きさだったのか?ちょっと気になりませんか?
ということでちょっと調べてみました。
過去に観測された雹の中で最大の大きさだったのは、1917年の6月29日に埼玉県大里郡熊谷町に落下したもので、なんとその大きさは直径29,6cm!重さはなんと3,4kgもあったそうです。カボチャくらいの大きさですね。
5cmの雹の時点で時速120kmを超えるというのに、29,6cmなら一体どれくらいの速度になり当たった時の衝撃はどれくらいになってしまうのか…。想像しただけでゾッとしますね。
この時代の埼玉にいなくて良かったとしみじみ思います。
まあそもそもまだ生まれてないんだけどな。
また、この他にも2010年7月23日に、アメリカのサウスダコタ州のVivianという町で直径20cm、重さ900gもの雹が落下し、こちらはアメリカ最強の雹となりました。
前述の日本最大の雹ほどではありませんが、こちらも直撃したら明日はないと言った破壊力があったことでしょう。全く雹というのは恐ろしいですな。
この時代にアメリカにいなくて良かったよしみじみ思います。
海外とか行くことあんま無いからな~。
結論:夏にヒョウが降るのは当然だった
今回の内容をまとめると、
・ヒョウはむしろ夏のほうが降りやすい環境になっている
・それでも夏に振らないのは空気中でただ氷が溶けているだけ
・なので、初夏、または9月頃にヒョウは降りやすい
といった感じになります。
こうなると、夏の晴れた日でも安心して遊ぶことは出来ませんね。
俺がインドア派になったもの、きっとヒョウを警戒しているからなんだ!きっとそうだ!
というわけで、今日もヒョウを警戒して引きこもりますね。