月ってあるじゃん。
あるな。
俺らって夜になると月が見えるのが普通だと思ってるけど、よくよく思えば月って俺らが生まれるずっと前からあるんだよね。
まあ俺らが生まれる前どころか、人間の歴史が始まる前の有史以前からず~っとあるな。
そんな月が一体いつ、どうやって誕生したのか…気になりませんかサボすけどんよ。というわけで、今回は月は一体どうやって誕生したのか?これまで世界中で語られてきた月誕生の仮説についてご紹介していきたいと思います。
月の誕生の仮説について
地球と月は親子説
まず最初にご紹介するのは、「親子説」です。
これはイギリスの天文学者であった
ジョージ・ダーウィンさんが提唱した説です。
どんな説かと言うと
・元々月と地球は一つの星だった
・しかし、地球の自転が速すぎることによって一部が遠心力で吹っ飛ぶ
・その吹っ飛んだ部分が月になった
という説です。
けっこうメチャクチャなこと言ってるような気がしますが…。地面とかが遠心力で宇宙まで吹っ飛ぶのか…。
ダーウィンさんは月が密度の低い星であることや、
月には鉄の核が存在しないことを元にこの説を考え、
月は地球のマントルによって出来ていると主張しました。
この親子説は20世紀の初め頃には強く支持されていました。
しかし1930年代に行われた分析によると、
地球の一部が遠心力によって宇宙に飛んでいくには、
地球自身が凄まじいスピードで自転していないと無理ということが分かり、
ちょっと現実的ではないのではないかと言われるようになったそうです。
まあ言ってしまえばサボすけが遠心力によって体の針を射出するにはどんだけ高速回転しなくちゃいけないんだよってのと同じツッコミだよね。
ちょっとその技使ってみたいんだけど。
地球と月は兄弟説
次は「兄弟説」についてご紹介していきます。
この兄弟説というのはどういうものかと言うと
地球と月は元々同じガスや塵の塊から
同じような時期に生まれたのでは…?という説です。
これは天文学者であるエドワード・ロッシュという方が
強く推していた説なんだそうです。
しかし、この説は人類が初めて月の土を踏んだことで有名な
アポロ計画によって信憑性が疑われることになってしまいました。
というのも、アポロが持ち帰った月の石を調べてみると、
その石はなんと地球が誕生するよりも遥か昔からあったことが分かったのです。
地球よりもずっと昔の時代の石が見つかるという事は、
月は地球よりもずっと昔からあったという事になります。
つまり同時期に生まれたという兄弟説は辻褄が合わないわけです。
また、この発見は同時に親子説が
間違っていることを証明するものでもありました。
やっぱり直接月に行ってみると、色々な事が分かるもんだね。
百聞は一見に如かずって言うしな。
地球が月を捕まえた説
三つ目は「他人説」を紹介していきます。
この他人説は1960年頃にアメリカの天文学者である
トーマス・ジェファーソン・ジャクソン・シーさんによって唱えられた説です。
名前が長い!
この他人説というのはどういった説なのかと言うと、
月は元々地球とは関係のない星だったが、
地球の近くを通った時に地球の引力に捕まってしまい、
地球の衛星になったのだというものです。
しかしこの他人説も根拠として薄い部分があります。
というのも、まずは
「そもそも月を引力で衛星にすることは可能なのか?」
と言う点についてです。
月の大きさは地球の4分の1ほどもあります。
圧倒的な大きさの差があるならまだしも、
自身の4分の1ほども移動中の星を
引力で捕らえて衛星にするのは不可能ではないのか?
と言われています。
また、もう一つは地球と月を構成する物質が非常に似ていることです。
地球と月を構成している物質は、
多少の違いはあれど非常に似ている部分が多く、
月が元々地球に関係のない星だというのなら
これはとんでもない偶然という事になってしまいます。
まあ地球自体が奇跡のような星ではありますが、
それにしたってたまたま通りがかった
自分の4分の1くらいもある星を引力で捕まえて衛星にし、
しかもその星は自分とほぼ同じ物質で出来ていた…
というのはいくらなんでも出来過ぎた偶然ですよね。
そうした要素から、
この他人説も月の起源を証明する仮説としては
決定打に欠けるものとされているようです。
どの説もどこか欠点を抱えているんだね。
月の誕生は一体どういう経緯なんだろうか…。
ジャイアント・インパクト説
それでは四つ目の説をご紹介します。
四つ目は「ジャイアント・インパクト説」です。
この説は近年、月の誕生の説の中でも最も有力とされているものです。
どういう説かと言うと、月は地球に別の星がぶつかって、
その時の破片によって出来たのではないか?という説です。
まだ地球出来たばかりの頃に、なんと火星ほどの大きさの星が地球に衝突!
その激しい衝突によって砕け散った、その星と地球の破片が
地球の軌道上を周回するうちに集まり、
集まって固まった結果月が誕生したという説…ということだそうです。
火星くらいの大きさの星がぶつかったら、地球もとんでもないダメージを負ったんだろうな…。
どれくらいの衝撃が生まれたのか、スケールがデカすぎて想像つかんな…。
この説は近年有力とされてはいますが、
もし星同士の衝突で破片が飛び散ったら、
その破片は土星の環のようになるのではないか?という意見もあります。
また、地球と別の星がぶつかったと言うのなら、
月の物質が地球にかなり似ているのはおかしいのではないか?
という意見もあったそうです。
ただし、これに関しては地球とそのぶつかった星が
太陽系内の近しい場所で生まれたから構成する物質も似通っていて、
そのため月と地球は同じような物質で出来ているのではないか?
という推察もなされています。
兄弟説も混じって来てるね。
また、このジャイアント・インパクト説には他の考え方もあり、
火星サイズの星がぶつかったのではなく、
もう少し小さいサイズの星が複数回ぶつかったのではないか?
という考え方もあるんだとか。
ただし、ジャイアント・インパクト説も
まだ確証があるような説ではないので、
月の誕生についての論争はもう少し続きそうです。
月の誕生まとめ:考えれば考えるほど、謎は深まるばかり…
月の誕生については今回ご紹介したように
複数の説があるわけですが、どれも微妙に足りない部分があって、
決定打と言えるような説がないのが現状です。
これらの説が生まれ、研究されてきた背景にはきっと
多くの頭の良い学者さん達の長年の努力があったと思います。
しかし、それでもなおいまだに正解を見つけることが出来ずにいると考えると、
月と言うのは我々にとって身近な存在ではありますが、
逆に謎に満ちた星でもあるんだな~と思いました。
もしタイムマシンとかが出来たら、月がどうやって誕生したのか生で見てみたいと思います。
きっとその当時は地球の周りえらいことになってそうだから、生きて帰れないかもしれないぞ…。
じゃあ学者さん達の今後の活躍に期待するということで!