なべざらし

淡水に適応した俺の仲間元気かなぁ…。バイカルアザラシ君。

さぼすけ

そこそこ元気ににやってるよ。2008年にはバイカルアザラシには無理だと言われていた「アザラシショー」をやったらしい。

なべざらし

俺もショーしよ。ゴロゴロしたり食べたりするのが得意だよ。

さぼすけ

それ他とあんまり変わらないからね。 

 

時々イルカが川に迷い込んだりしているニュースを見かける時があります。

 

過去にも大分市内の乙津川にミナミバンドウイルカが迷い込んでいたと一部話題になりました。

普段海にいるイルカがなぜ川に迷い込んだりするのでしょうか?うーん…エサが欲しかったんじゃないかな…。

 

今回は「なぜイルカが川に迷い込むのか」という、あんまり普段の生活に必要のない知識をご紹介します。

イルカが川に迷い込む理由

川が汚すぎて迷子になったから

 

イルカは普段超音波を出して周りの状況を判断したり、エサの魚の場所を認識したりしています。高性能なレーダーです。

 

しかし、イルカが陸地に近づくに連れて、だんだん海が汚くなり超音波がまともに機能しなくなってしまいます。うーん…人間が汚してるからかなぁ。

その結果、自分の居場所を正確に把握できなくなり、知らないうちに川に迷い込んでいるという説です。

また、似たような理由で浅瀬に乗り上げてしまうとか。 ちょっと可愛そうだな。

 

余談:イルカのレーダーの仕組み

 

イルカは水中では超音波をだし、周りの物体との距離を測っています。この機能が発達しているおかげで、広い海の中でも的確に獲物を捕らえることができるわけです。

この機能のことを「エコーロケーション」と呼ぶそうです。

 

ざっくりと仕組みを解説すると、人間にはとても聞こえないような「音」を出して、それが他の物体にあたり跳ね返ってくるまでの時間を計測するわけです。

自分が発した音が返ってこなければ「周囲には何もいない」と判断し、何かしら音が返ってきたら「何かいる」ということがわかります。

 

ちなみに、このエコーロケーションはイルカだけではなく地上では「コウモリ」なども普段から使っています。

更に、人間が使う「飛行機のレーダー」なども似たような技術が応用されているそうです。

 

なので、話を戻しますが海が汚れてしまうとレーダーが正しく機能しなくなるために、淡水に迷い込んでしまうのでは?という説があるそうですね。

 

なべざらし

イ、イルカすげえええええ!

さぼすけ

ホント、他の生物を参考にして開発されたものを観るたびに「自然の生き物って凄い」って思うよな。ちなみにサボテンの針を参考にして水分を貯める装置もあるんだぜ

 

ちなみに、人類の中にも「エコーロケーション」を使う人がいます。

米カリフォルニア州に在住にダニエル・キャッシュさんが正にその人物です。彼は自らが発した音が跳ね返ってくるまでの時間を聞き取り、なんと自転車に乗ったり普段通りに日常生活を送っているそうです。

こうしてみると「音」って偉大なんですね…。

 

 

寄生虫を取り除くため

 

イルカは普段、猛スピードで泳ぎ回るために皮膚に細かいシワを作り、乱流が出来るのを防いでいます。この技術は水泳選手の水着にも使われていましたね。

そして、イルカの肌に寄生虫がついてしまうと、そのまま皮膚が固くなってしまい、イルカの細かいシワが正常に機能しなくなります。

 

そのため、イルカは淡水の水に浸かり、寄生虫を取り除いているという説です。

海の寄生虫は淡水に弱いので、浸かると破裂してしまうみたいですよ。

 

イルカは知能が高いと言われているので、そのような知識を学習したんでしょうか。俺より数千倍頭がいいわ。

これぞ野生の知恵ですね。

 

つまり、イルカが淡水を泳いでいるのは人間でいうところの「シャワーを浴びている」状況に近いのでしょうか?

 

イルカは淡水で生きていけるのか?

 

イルカは一応淡水でも生きていけますが、淡水は海水よりも「浮き上がる力」が小さいので、泳ぐためには余計に体力を消耗してしまいます。

疲れやすくなってしまうわけですね。

 

そのようなアクシデントが発生してしまう可能性はありますが、淡水でも「いちおう」生きていくことが出来ます。

しかし、適応するには長い年月、それこそ数世代かける必要がありそうです。

 

なべざらし

淡水に入っただけで死ぬわけじゃないんだけど、浮力を生み出すためにたくさんのエネルギーを消費してしまいがちな結果、結局は体調不良になるかもしれない、ということなんだね。

さぼすけ

間接的に被害があるということなんだな。あとは塩分不足なんかも関係ありそうだ。

 

淡水に住むイルカ

 

淡水に生息するイルカは世界で4種確認されています。

・揚子江(ようすこう)に住む、ヨウスコウカワイルカ※絶滅した可能性あり

・アマゾン川に住む、アマゾンカワイルカ

・ラプラタ川に住む、ラプラタカワイルカ

・ガンジス川やインダス川に生息するインドカワイルカ

ヨウスコウカワイルカは2500年前には既に川に存在していたみたいです。そんなに歴史があるのか…。

 

ちなみに「アマゾンカワイルカ」は近年のテレビ番組などでもおなじみに「ピンクイルカ」ですね。今では世界中でも名前を知られていて、一部の地域の人たちからは「幸運のシンボル」なんて呼ばれていたりします。

 

淡水に住むイルカの特徴

 

土砂が流れている川に住むので、目はほとんど役にたちません。

なので退化しているので、小さな目をしています。

 

海のイルカは首が固定されて曲げられないのに対して、川のイルカは自在に曲げることが出来ます。

これは、入り組んだ場所に適応した結果と言われています。口が鳥のように長いのも特徴ですね。

 

しかし、淡水で生きることを選んだイルカたちは生活排水による川の汚染や、埋め立て、ダムの建設などによって住処を無くしてしまい、絶滅に危機にあるものも多いそうです。

 

なべざらし

人間と離れたほうが幸せになれる生き物だったのかな。

さぼすけ

それをいったらほとんどの生き物がそうなんじゃないか?水族館や動物園で飼われている生き物なんて、ほんの一部の例に過ぎないだろうしな。

 

結論:イルカは頭がいい

 

イルカの知能は人間の4歳レベルという噂をよく耳にしますが、実際にはまだ解明されてないみたいです。

 

しかし、今回の「淡水の温泉」の件を見てみると、本当に賢いんだなーと思ってしまいます。

 

余談になりますが、英セントアンドリュース大学の生物研究チームが検証した結果、なんとイルカは仲間同士で名前で呼び合う習性があることがわかったそうです。

それには主に口笛を使用して、なんと20キロ先まで伝えることができるとか。目や鼻などに頼ることが出来ない分、耳が発達しているというわけですね。

正に音のスペシャリストはイルカといっても間違いはなさそうです。

 

なべざらし

ちなみに、人間でも口笛で会話をしている人たちがいるんだよ。

さぼすけ

ギリシャの島のエヴィア島というところに住んでいる人たちのことだな。

なべざらし

でも、年々口笛の意味を理解できる人が減ってきているんだって。

さぼすけ

携帯電話はSNSが発達した時代とはいえ、寂しい気持ちになるな。

 

今回のまとめは、

・イルカは淡水に迷い込む時がある

・川が汚いのでレーダーが正常に機能しなくなったから

・寄生虫を取り除くために、淡水に侵入しているから

といった感じになりました。

 

俺アザラシだけど淡水に住む仲間「バイカルアザラシ」もよろしくね!

 

ちなみに俺は「人間界」に適応したザンネンアザラシだよ。

さて、寝よっと。

じゃあね!